健康ウォーキング 継続のコツ

                 無理せず 余裕持ち

 ウオーキングによって生活習慣病が予防できるとわかってはいても、健康のために歩くことを習慣化している人は少ないのが現実だ。
 メタボリック症候群(と予備群)の大半の人が、歩くだけで体の状態がよくなるなら、ウオーキングを始めたいと思っている。また、ウオーキングに挑戦してみたものの、長続きしなかったとこぼす。
 多くの人が、生活習慣病の予防・改善には1日1万歩を歩かないと効果がない、と思いこんでいる。1日だけなら1万歩達成はそう難しくないが、これが毎日になると大変だ。ほとんどの人は3日坊主でやめてしまうだろう。自分の日常のライフスタイルを考慮しないまま計画を立てたことが「敗因」といえる。
 ウオーキング継続のコツはまず、「日常生活で自分にできることから始める」。家庭でも職場でも積極的に身体を動かす習慣を作る。通勤や移動時には、じっと乗り物やエレベーターなどで待っていないで歩くようにしよう。
 われわれはみな、1週間単位で生活している。歩数を増やすには、1週間分のウオーキングスケジュールを記録すると解決策が見えてくる。平日に多く歩いて休日はほとんど外出しないタイプ、逆に休日にイベントに参加したり趣味のために多く歩いたりするタイプなど、日常のライフスタイルはいろいろだ。
 毎日コンスタントに歩数を増やす必要はない。1週間単位、または1カ月単位でゆっくり増やしても構わない。時間に余裕があるときに、普段の不足分をカバーするよう心がけよう。
 記録した歩数表を見て、どこなら歩数を増やすことが可能なのか検討する。多くの人は歩数の少ない日に増やそうと考えるが、その日は仕事が忙しかったり、体の具合がすぐれなかったり、天気が悪かったりなど様々な事情があり、もっと多く歩くのは実際には無理なことが多い。
 逆に歩数が多めの日にもっと歩くようにする。この日は、気分や体調がよく、元気な証拠。歩数を増やす絶好のチャンスと覚えておこう。
(日本ウオーキング協会副会長  泉 嗣彦)

2007.7.22 記事提供 日経新聞社