「少し余裕」大切
ウオーキングで靴は最も重要な用具だ。楽しく気持ちよく歩くためには、自分の足に合ったウオーキング専用の靴を選ぶとよい。
平たんな舗装した道路を歩くのか、凸凹道または山道を歩くのかによって、靴の形や材質は異なってくる。歩く距離が5−10キロメートルの短距離か3−40キロメートルの長距離かも靴選びのための大切な要素だ。高齢者の場合は、バランスがとりやすくかかとの衝撃を少なくしているものがよい。
靴の大きさは足長(足の長さ)と足囲(足の太さ)で表す。足長は、紙に左右の足型をとり、かかとと最も長い指との垂直の距離を、0.5センチメートル単位で測る。足囲は、親指と小指をつなぐ関節の周囲を測る。A−G(Gのほうが大きい)で表し、EだけEから4E(EEEE)まで4段階ある。左右に差があるときは大きい方に合わせよう。
足指の形は個人差があるので形に合った形状の靴を選ぶ。親指が最も長い人(親指が側面から圧迫され外反ぼしになりやすい)、第2指が長い人(靴の中で長い指が曲がりハンマートウになりやすい)、すべての指がほぼ同じ長さの人(たこやうおのめができやすい)などに分類できる。
大きさや形が決まってめぼしい靴を選んだら、左右とも実際に履いて少し歩いてフィット感を確認する。「指先に余裕があり5本の指とも上下左右に十分広がる」「かかとがきちんと収まって足首の回りもきつくない」「足底が足の形にフィットしている」「ひもを結んでも窮屈な感じがしない」などをチェックする。
靴のフィット感は靴下によっても変わる。普段履く靴下を持参して実際に履いて歩いてみる。サイズの上下の靴も履き比べて、少し余裕のあるものを選ぶ。靴下の厚さとひもの締め方で調節できるからだ。速く、長く歩くには必ずひも付きの靴を選ぶこと。中敷きは雨や汗ですぐ湿るので交換できるものがよい。
腰痛症、ひざ関節症など関節に痛みのある人は、弾力性のある靴底で、かかとにクッションのついた、歩いた時の衝撃が少ない靴がお薦めだ。
(日本ウオーキング協会副理事長 泉 嗣彦)