東京医科歯科大学と堀場製作所は虫歯の急性、慢性を見分ける技術を開発した。歯の酸性度(水素イオン濃度、PH)を特殊なセンサーで測定する。これまで客観的に見分ける方法が少なく、歯科医師の経験に頼る部分が多かった。歯の削りすぎを減らすなど適切な治療の実現につながる。
虫歯には進行が速い急性とほとんど進行しない慢性の虫歯がある。医科歯科大学院の田上順次教授らは堀場が開発した半導体センサーを使って抜歯した虫歯の水素イオン濃度を調べ、急性(PH5.4−5.8)と慢性(PH6.3−6.6)に差があることを見つけた。
急性・慢性の判別はこれまで歯の色や硬さ、症状などをもとに歯科医師の経験で見分けるのが主で、医師によって結果が異なることもあった。特に慢性の虫歯は表面が黒褐色に変色していることが多く削られすぎる傾向があったが、これを減らせるようになるという。
研究チームは口の中で使える小型センサーを開発し3年後の臨床応用を目指す。
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