進化型菌群が増えている?
かなり強い耐性を持った菌が国内で見つかった。

強化型の耐性菌を検出 国内初か、愛知の男性患者

ほとんどの抗菌薬が効かない多剤耐性のアシネトバクター菌のうち、日本国内では感染例がないとみられる特に強いタイプのものが愛知医科大病院(愛知県長久手町)に搬送された県内の男性会社員(59)から検出されていたことが20日、分かった。

  アシネトバクター菌は水回りや土壌などの自然界のほか、人間の皮膚などにも広く存在。免疫力が低下した人が感染すると肺炎や敗血症を起こし、死亡することもある。福岡大病院(福岡市)で昨年1月、入院患者23人が感染した例がある。

  愛知医科大病院の三鴨広繁(みかも・ひろしげ)教授によると、男性は2月初旬、アラブ首長国連邦(UAE)への出張中に事故で大腿(だいたい)部を切断。緊急治療を受けた後、同月下旬に帰国した。

  切断部が感染症にかかっており、同病院の検査で未確認のアシネトバクター菌に感染していたことが判明。強い抗生物質を投与したが効果がなく、別の細菌「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)」の治療薬で改善、症状も快方に向かった。ほかの患者や職員の感染は確認されていないという。

  三鴨教授は「このタイプの菌が国内に存在していてもおかしくない。各病院とも感染対策を取ることが重要だ」と指摘している。

2010.3.23 記事提供:共同通信社