福島第一原発(福島県)から90キロ以上離れた茨城県北茨城市をはじめ、宇都宮市や神奈川県横須賀市などで15日午前、通常時の100-3倍の放射線量が確認された。
茨城県によると、北茨城市役所の放射線監視装置で午前5時50分、原子力災害対策特別措置法の基準値に定められた毎時5マイクロ・シーベルトを超える5・575マイクロ・シーベルトの放射線量を確認した。通常時の約100倍で、県は同原発の影響とみている。ただ、胸部レントゲンの10分の1程度の量で、健康に影響はないという。
同県東海村の東京大大学院の研究施設敷地や、日本原子力研究開発機構核燃料サイクル工学研究所敷地内でも5マイクロ・シーベルトを超える放射線量が観測された。
埼玉県は、さいたま市内で観測している大気中の放射線量について、1時間当たりの平均値が午前11時の時点で通常の20-38倍となる1・222マイクロ・シーベルトに達したと明らかにした。正午時点では0・201マイクロ・シーベルトで、人体への影響はないレベルだとしている。
宇都宮市内の保健環境センターでは午前10時の時点で、放射線量が通常の30倍にあたる1・318マイクロ・シーベルトに急増した。また、神奈川県横須賀市では午前5時半ごろ、市内10か所の監視装置が通常の3-8倍の毎時0・161-0・257マイクロ・シーベルトを観測した。この日は朝、北風が吹き、市危機管理課は「福島から風で運ばれたのだろう」とみている。