関節リウマチ:治療薬の投与量、上限引き上げ−−厚労省
厚生労働省はこのほど、関節リウマチの主要な治療薬「メトトレキサート」の週間投与量の上限を、8ミリグラムから16ミリグラムに倍増することを認めた。投与前の検査で副作用が起こりやすい人を調べることもでき、日本リウマチ学会は、医師に適正使用を呼びかけている。
関節リウマチは手足などの関節に炎症が起こり、骨や軟骨を破壊する進行性の病気。国内患者は約70万人と推定され、約7割が女性。30〜50歳代に発症する人が多い。
メトトレキサートは関節リウマチの炎症を抑える作用があり、学会が出した医師向けガイドラインは、第1選択薬として使うことを認めている。学会理事長の宮坂信之・東京医科歯科大学医学部付属病院長は、従来の投与量で十分効果がなかった人に「週8ミリグラム以上使えば3割以上の人に効果がある」と話す。
一方、白血球や血小板減少、間質性肺炎などの副作用が出ることがある。ガイドラインでは、副作用の起こりやすい人を割り出すため投与前の血液検査や肝炎ウイルス検査などを勧めている。処方後は、副作用を防ぐため葉酸製剤の並行投与が有効だという。