血液中の微小なリボ核酸(マイクロRNA)を調べ、関節リウマチかどうかを高い確率で特定できる新たな手法を京都大の吉富啓之(よしとみ・ひろゆき)特定准教授(リウマチ学)らのグループが開発し、19日発表した。
グループによると、関節リウマチの患者は全国に約60万人いるとされるが、従来の検査法では、3割程度の患者で早期発見が難しい。吉富特定准教授は「関節リウマチは早期に治療を始めることが重要。従来の検査法と組み合わせることで、診断精度を上げられる」としている。
グループは、関節の痛みや変形が起きる関節リウマチの患者約100人の血液を検査。すると、遺伝子の働きを調節するマイクロRNAのうち「24」と「125a―5p」の2種類が増加していることが分かった。
この二つを指標に、実際に患者を調べたところ、約9割の確率で特定できた。
成果は米オンライン科学誌プロスワンに掲載された。吉富特定准教授は「マイクロRNAが関節リウマチの発症にどう関与しているか調べることで、新しい治療法の開発につながるのではないか」とした。