気圧が低いほど関節リウマチの痛みや腫れが悪化

当たり前田のクラッカー

 京都大病院リウマチセンター(京都市左京区)などの研究グループは、気圧が低いほど関節リウマチの痛みや腫れが悪化することを統計学的に裏付けたと発表した。これまで患者の経験則から「天気が悪いと痛む」などと言われてきたが、科学的に相関関係があることを示した研究は初めてという。16日付の米科学誌プロスワン電子版に掲載された。

 関節リウマチは体のさまざまな関節に炎症が起こり腫れて痛む病気で、女性に多く発症し、国内で約70万人の患者がいる。従来、患者の間では「天気が悪くなると症状も悪くなる」「リウマチの痛みが悪化したから、天気は下り坂」などと言われていた。

 研究グループは、2005年以降、京都大病院に通院したリウマチ患者2131人(平均年齢60歳、女性8割)の症状に関する約2万件の記録と、気象庁が発表している京都市内の気象データの関係を統計学の手法で解析した。その結果、気圧が低い日ほど痛みの訴えや患部の腫れの箇所数が増えるという相関関係が判明した。気温の高低では相関関係はみられなかった。

 気圧が低下すると症状が悪化するメカニズムは不明だが、リウマチセンターの橋本求(もとむ)特定助教(リウマチ医学)は「患者が漠然と感じていたことが裏付けられた。医師にとっても患者の症状を理解する助けになるのではないか」と話している。【堀智行】


                          


2014年1月19日 提供:毎日新聞社