どうして効くの?ビタミンCがガン細胞を撲滅?

ビタミンC投与でがん半減 マウス実験で、米研究所

【ワシントン4日共同】ビタミンCをマウスに大量投与することで、がん細胞の増殖を半分に抑えることができたとの実験結果を、米国立衛生研究所(NIH)の研究チームが4日、米科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。

チームによると、約30年前にビタミンCががんに有効だと注目されたが、その後の実験で否定された。今回は、効果が否定された経口投与ではなく、体内に直接注入。「副作用もなく、人間への適用も可能だ」としている。

実験ではまず、43種類のがん細胞と5種類の通常細胞に、ビタミンC(アスコルビン酸)の溶液を加えると、通常細胞に変化はなかったが、がん細胞のうち33種類では細胞の半分以上が死滅した。

次に、腹腔(ふくくう)内にそれぞれ子宮がん、膵臓(すいぞう)がん、脳腫瘍(しゅよう)の細胞を植え付けたマウスに、体重1キロ当たり4グラムという大量のアスコルビン酸を毎日投与すると12-30日後に、投与しなかった場合に比べてがんの重さが41-53%に抑えられた。副作用もみられなかった。

アスコルビン酸から発生した過酸化水素ががん細胞に作用したとみられるという。

2008.8.5記事提供 共同通信社