活性酸素低濃度では血糖低下。サプリ効果。とりすぎに注意
糖尿の人は抗酸化剤でインシュリン効果増強?
体内に蓄積され糖尿病などの発症原因になるとされる「活性酸素」が、低濃度だと逆に血糖値を低下させるインスリンの作用を強めることが7日までに、金沢大の篁俊成(たかむら・としなり)准教授(内科学)らのグループのラットを使った実験で分かった。
またサプリメントなどに含まれ、活性酸素を除去する「抗酸化剤」が、糖代謝を悪化させる可能性があることも明らかになった。米オンライン科学誌に掲載された。
活性酸素が体内に過剰に蓄積された状態は「酸化ストレス」と呼ばれ、DNAやタンパク質を酸化させて細胞にダメージを与え、2型糖尿病などの発症原因とされる。
グループは実験で、ラットの肝細胞に高濃度と低濃度の活性酸素をそれぞれ投与。高濃度ではインスリンの作用が弱まるのに対し、低濃度では強まることを確認した。
さらに、活性酸素の投与でインスリンの作用が強められた細胞に、抗酸化剤を投与すると、増強効果は消失したという。
篁准教授は「抗酸化剤は市販の多くのサプリメントに含まれるが、安易な過剰摂取は逆効果になる場合もある」と指摘。「高濃度の活性酸素だけを除去する薬が見つかれば、糖尿病の新たな治療薬の開発につながる」と話している。
※米科学誌は「PLoS ONE」