メタボリック症候群を改善するのに有効な脂肪の燃焼成分がトマトにあることを京都大などのグループが解明し、10日付の米オンライン科学誌プロスワンに掲載された。
メタボリック症候群は中性脂肪が増加する脂質異常が一因。グループの河田照雄(かわだ・てるお)京都大教授(食品機能学)は「トマトの成分で直接的に脂肪を燃やす効果が見られたのは初めて」としている。
この成分は、中性脂肪を減らす効果などがあるリノール酸の仲間。トマトは脂質異常症や糖尿病に有効とされるが、その成分は不明だった。
グループはトマトのジュースや果実から、脂肪を燃焼させる遺伝子を活性化する物質を探索し、新成分を見つけた。
さらに1日当たり、この成分0・002グラムを加えた計4グラムの高カロリーの餌を肥満マウスに4週間与え、中性脂肪量と血糖値を測定。高カロリーの餌だけを与えた肥満マウスと比較した。
すると中性脂肪は血中と肝臓で共に約3割少なく、血糖値は約2割低くなった。肝臓での糖質の吸収が良くなり、血糖値も下がったとみられる。