カフェインは学習後に 記憶力向上と米研究
コーヒーやお茶などに含まれるカフェインは、眠気を覚ます作用だけでなく、学習後に摂取すると記憶力を高める働きもありそうだとの研究を、米ジョンズ・ホプキンズ大のチームがまとめた。
普段コーヒーをあまり飲まない160人(平均年齢20歳)が対象。無作為に2群に分け、2日がかりの実験を実施した。
1日目は、さまざまな絵を見て簡単な問いに答える課題を与えた後、200ミリグラムのカフェインか偽薬のいずれかが入ったカプセルを飲んでもらった。2日目は、前日と同じ絵のほか、よく似ているが細部が異なる絵や全く違う絵を交ぜて見せ、「前日と同じ」「前日と似ている」「初めて見る」の三つに分けてもらうテストをした。
その結果、前日と同じ絵、初めて見る絵の正答率はカフェイン群も偽薬群も差がなかったが、似ているが細部が異なる紛らわしい絵を正しく区別できたのは、カフェイン群の方が多かった。記憶がより正確だったことになる。
こうした効果は、カフェインを100ミリグラムに減らすと見られなかったほか、2日目のテスト前にカフェインを与えた場合にも確認できなかった。
チームはこの結果を、覚えたいものを見た後にカフェインを適量摂取すれば記憶の固定に有効な可能性がある、と解釈している。今後はカフェインがどのような仕組みで記憶力に作用するのかを解明する研究が必要だとしている。
日本の食品安全委員会の資料によると、200ミリグラムのカフェインを取るには、レギュラーコーヒーだと150ccのカップで2杯余り、煎茶だと同6杯半程度になる。
注)ネイチャーニューロサイエンス電子版1月12日付