酒かすが肝炎予防に効果 月桂冠総合研究所
酒かすに含まれるタンパク質が、肝硬変や肝臓がんにつながる「非アルコール性脂肪肝炎」の予防に効果があることが、月桂冠総合研究所(京都市)の研究で明らかになった。28日に明治大生田キャンパス(川崎市)で開催の日本農芸化学会大会で成果を発表する。
非アルコール性脂肪肝炎は、お酒を飲まない人でも脂肪分の取りすぎなどで発症する生活習慣病。自覚症状がほとんどなく、特に中高年の発症が多いという。
月桂冠総研は京都府立医大の監修によるマウス実験で、ココアバターなど高脂肪の餌を与えた集団と、同じ餌に酒かすの成分を加えた集団を比較した。その結果、酒かすの成分を加えなかった集団では肝臓への脂肪の付き具合を示す数値が、加えた集団と比べて約3倍になったという。
また肝硬変に進む過程で生じる肝細胞の死滅が、酒かすを加えた集団で抑えられたことも確認した。
月桂冠の広報は「食品や飲料メーカーと組んで、酒かすを使った機能性食品を消費者に提案していきたい」と話している。