私が糖質制限する理由
思うところがあって、一か月前に始めたのですが―。 これは、単なるダイエットではなくて、私の物の視点、生き方が180度変わった大事件?!だったわけで、多分それは一時的じゃなくて、これから一生続くものと思われます。
ーということは、一生糖質食品とはおさらばしなくてはならないわけですが、私はそれをこのアラフォーの時点で気づいて、むしろよかったし、助かった!と思っています。 だって、私は食べることは私にとっての『手段』であって、生きる『目的』ではないと思うから。 それが目的な人もいますが、食べることを目的にすると、大体ろくなことにならない・・。 後々、いろいろと厄介なことになるわけです。 生きる楽しみは、他にもいっぱいあると思うから! それらをこの世で長く楽しむために、自分の健康・食事をしっかり管理する。 もちろん、糖質制限しててもおいしいものはいっぱいありますけどね(^―)☆彡
ごちゃごちゃ言ってないで、ここで理由を・・・(^^; 自分の現時点で知りうる知識の範囲で説明します。
@ 人類の食は、本来『穀類』ではなかった件
人間は、欧米では小麦、日本人は大昔からコメを食べてきたような印象がありますが、人類の歴史をたどってみると、人が農耕を始めて、穀類を常食し始めたのは、全体から見ればわずかに0.25%であった! その前は、当然狩りをして肉食だったり、木の実を採ったり、野菜、果物(今みたいに甘くないけど)、魚、貝などを採っていたわけです。 しかも、血糖値を一気に押しあげる精製した穀類、砂糖類が出回るようになったのは、ここ50年ぐらいのことである、と。 つまり、今この時代に生きている私たちは、人類史上かつてないほどの糖質食品を日々摂っていることになるんですね。
それを反映するかのように、ここ20年の糖尿病患者や透析患者の急増は異常です。そこまでいかなくても、メタボリックシンドロームの人、糖尿病予備軍の数は数えきれないほど・・。 運動ももちろん多少は関係があるでしょうが、彼らが怠け者だからではない、これは食の根本がおかしいからでしょう。
ちなみに、イヌイットなど、肉・魚(タンパク質・脂質)のみを常食としてきた先住民社会では、そのような疾病はありませんでした。 しかし彼らも、欧米型の食事にどっぷりと浸かってしまった今では、我々先進国と同じような健康問題を抱えるようになってしまいました。
ところで、自然界には元々たんぱく質・脂質はありますが、糖質はあまりなかった。ですから、人間の体は糖質を多量に摂取するようには出来ていません。その証拠に、血糖値を上げるホルモンはいくつも持ち合わせていますが、血糖値を”下げる”ホルモンは、インシュリンのみ、です。
血糖値が上がる、ということは、体にとっては火事同然なので、膵臓のランゲルハンス島のβ細胞というところからインシュリンが出動して、一生懸命“火消し”に取りかかります。 ブドウ糖をどこかにやらなくてはいけないわけですが、ブドウ糖を必要とする箇所はほんのちょっと(血中のヘモグロビンと、脳の一部、網膜)なので、あとは脂肪細胞に押し込みます。こうやって中性脂肪が増え、肥満になるわけです。
このインシュリンを毎回大量に出すような食生活をしていると、膵臓が疲弊し、インシュリンもだんだん出せなくなって、糖尿病を始めとするさまざまな病気に繋がっていきます。
Aブドウ糖はガンのエサ
そうやって、体の血糖値を下げてくれる大事な働きをするインシュリンですが、それが肥満だけでなく、血流内に滞在しているときに、なんと血管を傷つけてしまうのです。 毎回毎回インシュリンを出るような高糖質の食事をするのは、昔の人類の食生活からは想像もできなかったわけで、(古代の人間は自然に糖質制限食です)そのような体の構造にはなっていない。 言わば異常事態で、毎食後インシュリンが出て、血管内を傷つけ、それがやがて動脈硬化、高血圧、脳梗塞、心筋梗塞、になっていくわけです。
また、体が血糖の処理で忙しいあまり、自分の細胞のメインテナンスまではどうしても手が回らなくなります。 そうなると、どこかで遺伝子が傷ついてもその修復がおろそかになる、修復間違いも起こってくる。それが癌の発生。 そして癌細胞は正常細胞の何倍もブドウ糖を必要とします。そこへ、またインシュリンがせっせとエサやりするわけです。 糖質を絶つ食事をすると、ガンが縮小したり消滅したりするのは、そういうことも関係しています。 感染型のガンはさておき、少なくとも欧米型ガン(大腸がん、乳がん、肺がん、前立腺がん、子宮体がん)は糖質摂取と関係があることが証明されています。
また、糖質食品は『炎症』もおこします。ニキビ、花粉症、アトピー、喘息などの慢性的なアレルギー疾患になるのは糖質が原因です。 今まで脂質(油っぽい食事)が原因と思われてきましたが、実際悪さをするのは、糖質を同時に摂った時、脂質が糖質のせいでうまく体外に排出できないために、それが体の中で毒素となって回ることが分かりました。 ちなみに肉など脂質だけを摂っても、炭水化物などよりはずっと消化が良く、余剰分は毎回体外に排出されます。
B糖化=老化
もう一つ、糖質はたんぱく質とくっつきやすい性質があり、糖がたんぱく質を変質させることを糖化といいます。 お肉を砂糖を混ぜたテリヤキソースなどで焼くと、こんがりと茶色に焦げていい匂いがしますよね。それをメイラード反応といい、体内でも時間をかけて体温で熱せられて、同じことが起こるのです。 摂りすぎて余った糖がたんぱく質と結びついて、体内に溜まったものをAGE(終末糖化産物)と言います。 AGEがお肌のコラーゲンに溜まると、肌のくすみ、たるみ、かさつきなどになるし、脳の海馬というところにたまると、アルツハイマー認知症、骨に蓄積すると骨粗しょう症(実物は本当にこんがりと焼けたような茶色の骨です!)、目に蓄積すると白内障になります。ちなみに、AGEは、高温で揚げたり、調理で焦げたものにほど多く発生します。また加工肉にも製造過程で発生します。 その他、AGEを作る原因としては紫外線、飲酒・タバコ、ストレスなどもありますが、老化を遅らせたければまずそれらを避け、糖質を出来るだけ取らないな食事をすることと、抗糖化食品(日本茶、ショウガ、くるみ、ゴマ、その他いろいろ)を積極的に摂って糖化を消すことが大事です。
C糖質は精神も病ませる
パンや白米はおいしくて、ついつい食べ過ぎてしまいますよね。それはあなたのせいではなく、その中の糖質が、脳に麻薬のように作用してドーパミン(快楽ホルモン)を出させるからです。その間に血糖値を急激に上げる。 急激に上がるから、体は緊急事態だと、インシュリンを出して血糖値を一気に下げる。 これがグルコース・スパイク(ブドウ糖の急激な上がり下がり)です。 血糖値が急に下がると、落ち着きがなくなる、手足が震える、イライラする、など感じて、また体がさらなる糖質を欲する… 麻薬と同じ原理です。 急にお腹が空いたと感じるのも、血糖値がマイナスまでガクンと下がるからで、もともと糖質の物を食べていない時は、そのような急を要するような変な?お腹の空き方はしません。 そして、食後も眠くならないので、いつも眠くなるという方は、試しにやってみてください。 朝起きれないという方も、その爽やかぶりに驚きますから!
というわけで、糖質食品をやめると鬱も治ったという報告が多々出ています。これは、精神の恒常性を乱す糖質食品を摂らないから当然と言えば当然の結果でしょう。
糖質をやめると、他にも胃潰瘍、逆流性食道炎、胸やけ、アレルギー性鼻炎、偏頭痛、しょっちゅう罹る風邪、慢性的な身体のだるさ、不眠症、肩コリ、首のコリ、歯茎からの出血、眼精疲労、抜け毛、白髪、冷え性、軟便、下痢、加齢臭などが改善するようです。
(どんだけ悪者なんだ、糖質! 笑)
――と、糖質の害をこれでもかと書きましたが(笑)、別に糖質を日々とっている人が悪いと言っているわけではありません。 このように、糖質食品があふれかえっている世の中が異常なのです。 糖質は原価が安い、糖質は依存性がある(リピーターになってくれる)、外食産業や食品会社は人々の健康を考えて作っているわけではない(儲かればそれでよい)のですから。
しかし、糖質を摂らないという選択は、単なる食事法というよりは、その人の生き方、知性、意志力に相当かかってくるので、私も誰彼なしに勧めてはいません。
自分は美味しいものを好きに食べて病気になっても、それが本望だという人は、それはそれでその人の生き方ですから・・。
しかし、糖の害に気づき、糖質制限を自分の意志で始める人が徐々に増えていることも事実です。 それに呼応して、世の中糖質だらけなのが、段々改善されていくと良いのですが――。
引用:シアトル在住 トンプソン真理子さんのノートから
2014年5月4日(日)