消費者庁は15日までに、野菜や加工食品、サプリメントなどすべての食品について、「肝臓の働きを助けます」「膝の滑らかな動きをサポートします」といった体の部位への効能をうたう表示を認める方針を固めた。食品の機能性表示を議論してきた同庁検討会に18日に示す報告書案に盛り込み、新たな制度は来春に導入される。
現在は薬事法に基づき、病気の治療や体の部位への効能を表示できるのは医薬品だけだ。特定保健用食品(トクホ)は「おなかの調子を整える」「丈夫な骨をつくるのに適している」など、一部の部位に関する表示が例外的に認められている。
消費者庁はこれまでの検討会での議論や、厚生労働省の「体の部位に言及するだけではただちに薬事法に違反しない」との見解を踏まえ、緩和に踏み切ることにした。ただ、病気の治療に有効との表現は認めない。
こうした食品の機能表示は事業者の責任で行い、実験データや論文などの科学的根拠を消費者庁に届け出る。副作用が起きた場合に備え、連絡先の表示と国への速やかな報告を義務付ける。
現行制度では、消費者庁の許可が必要なトクホのほか、ビタミンとミネラルを一定量含む栄養機能食品も栄養素の効能に限って表示することが認められている。トクホはさまざまな審査を受けるため、多くの費用と時間がかかり、小規模な事業者は活用しにくいと指摘されてきた。
政府の規制改革会議が昨年6月、改革の柱の一つとして、食品の機能を表示できる制度の創設を答申。消費者庁が検討会で議論してきた。
提供:共同通信社 2014年7月16日(水) 配信