一般的に食物繊維はダイエットに興味のある女性たちのものと思いがちですが、実際には血糖値の上昇やコレステロールの吸収を抑制する作用があるので、生活習慣病が気になる働き盛りの方にこそ注目すべきものといえます。
働き盛りの方は外食の機会が多く、肉・魚はたっぷり食べても野菜類はほんの少量で、食物繊維が不足しがちです。今回は料理研究家の土井善晴さんに食物繊維と体調の関係をお話いただきました。
「からだによいこと」が「よろこび」になる
健康であるということは、いい仕事を継続する一番の力。だれでも20代、30代は体に無理をしてガムシャラに働く時期があるものです。私も徹夜でメニューを考え何度も試食するうち朝を迎え、また朝からテレビや雑誌の撮影で立ちっぱなしで料理をつくり続ける、なんてことをしょっ中やっていました。しかし40歳を目前にしてこのまま行くと10年後なんてないんじゃないかとふと不安になった。実際、体重もオーバーしていて、しんどかった。そんな悪循環を立ち切るために始めたのがマラソンでした。
元々、和食中心の野菜たっぷりの食事が中心ですが、走るようになったことで、食物繊維をはじめ栄養のバランスをより強く意識するようになりました。運動不足を解消し、食物繊維多く取るようになることで、からだに余分なものを蓄積せずに食べたものを消費していく快感や、仕事以外でも日常生活の時間がグレードアップするような感覚をきっと味わえると思いますよ。
自然の力を借りながら食べて健康になる
私自身、外食はあまりしない方ですが、外食のメニューをよく見てみると野菜料理は本当に少ないですね。野菜のメニューを意識してオーダーしようにも、青菜のおひたしとか付け合せのような一品になってしまって楽しくない。季節の野菜を大胆に使ったバラエティー豊かなメーンディッシュがもっと増えると楽しいのにね。外食の機会が多くなればなるほど野菜不足になってしまうのは残念ですが、それ以前に「旬の素材」を楽しむことで自然の環境に従って生きていることを実感する、それこそが人間らしい食事の醍醐味(だいごみ)であり、楽しみであるように思うんです。
食べて健康になるということは、自然の力を借りて生きるということ。旬の素材は、自然環境とともに健康にいきていくための道しるべになってくれるもの。たとえば野菜や海藻類など食物繊維を多く含んだ旬の素材は、腸を刺激して翌日の体調を大きく左右します。体の中からきれいになることは健康を保つ大切なポイントといえるでしょう。
みなさんも旬の野菜を使って手軽においしく食物繊維を摂ってみてはいかがでしょうか。
食物繊維の働きとは?
1.糖(炭水化物)の吸収をおだやかにする
2.コレステロールの吸収を抑制する
3.腸の動きを活発にして便の排泄を促す
●食物繊維についてもっと知りたい方は
http://www.calpis.co.jp/kettouchi/nansyouka.html
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