満員電車で向き合った中年紳士の息に絶句した、その数秒後。 結論からいえば、口臭のほとんどは溜まったままの歯垢が原因。歯垢といえば、細菌のかたまり。たとえば、むし歯や歯周病の原因となる細菌が悪さをすると、その結果として悪臭が発生してしまうのだ。 こうした細菌が、口内のタンパク質(新陳代謝で剥がれ落ちた細胞など)を分解すると、メチルメルカプタンを代表とする硫化物がわんさかできる。これが、臭いの直接原因となるわけだ。 だから、しっかり歯垢を落とすのが第一。それでダメなら、歯科医に相談し、ガスクロマトグラフで臭いの量を測ってもらおう。「実際に測定してみると口臭などないのに、あると思い込んでいる人もいます。そんな場合は、よく話を聞いて心理的な原因を探り、納得してもらいます」 とは、東京歯科大学の角田正健先生。内科系の原因もないわけではないが、それとてかなりの重症でないと・・・・・・という話しだ。 |
口臭の強さは、一日のうちでも変化する。最も強いのは、朝起きたとき。寝ている間は細菌を押し流してくれるはずの唾液の分泌が少なくなるため、口の中が細菌だらけになっているのだ。 「だから、寝る前のマウスケアを念入りに。ここで細菌の量を減らしておけば起きたときの量もそれなりに少ないはずですから」 と、角田先生。食後に口臭が減るのも、唾液が洗浄してくれるからだという。 「無体臭の人などいないように、無口臭の人もいない。きちんと歯磨きできていれば、問題はありませんよ」 |
●口腔内の原因● ●自分でチェックしてみよう● |