White Family dental-site


最新の社会情勢レポート!!

社会情勢レポート記事区切り

映画監督日本の巨匠:大島渚さん死去 
世界の“オオシマ”最後まで映画へ執念 半身マヒをリハビリで克服

 日本映画界で特異な存在感を放った大島渚さんが15日、亡くなった。カンヌ国際映画祭で最優秀監督賞を受賞するなど、世界の“オオシマ”をアピール。晩年に脳梗塞(こうそく)に見舞われたが、半身マヒをリハビリで克服して現場に復帰し、映画製作への執念は最後まで健在だった。

 「死のふちをのぞいたから、この映画ができたと思います」

 平成11年末、映画「御法度」がようやく公開にこぎつけたとき、大島さんはこう語った。

 「マックス、モン・アムール」以来、約10年ぶりの新作として製作発表が行われたのは8年1月。だが、その1カ月後、映画100年祭で講演する北アイルランドに向かう途中、ロンドン・ヒースロー空港で脳梗塞のために倒れ、製作が約2年間にわたり中断した。右半身マヒや言語障害の後遺症が出て、この間、大島さんは妻の小山明子さん(77)らの支えを受けながら、懸命なリハビリを続けたという。

 同作のクランクインでは車いす姿でメガホンをとり、出演したビートたけしさん(65)が「監督の『ヨォーイ』の声の大きさには、たまげた」と驚くほど、見事、現場復帰を果たした。

 昭和34年に松竹から監督デビューし、「青春残酷物語」など社会性の強い話題作を相次いで発表、日本映画の最先端を走り続けてきた。

 51年には日仏合作「愛のコリーダ」が公開。過激な性描写をめぐり、映画のスチール写真などを掲載した単行本を警視庁が摘発、大島さんも刑事被告人として法廷に立った。そこで大島さんは「私は『芸術かわいせつか』という論議を否定する。私にとって、わいせつは存在しない」と真っ向から起訴事実を争い、最後には無罪を勝ち取った。

 1978(昭和53)年の第31回カンヌ国際映画祭で最優秀監督賞を受賞した「愛の亡霊」をはじめ、「戦場のメリークリスマス」「マックス、モン・アムール」など、その作品は海外で高い評価を受けた。

 一方で「テレビは映画よりはるかに影響力がある」と語り、バラエティーやワイドショー番組にもコメンテーターとして出演。テレビ朝日系の討論番組「朝まで生テレビ!」では、生放送中に「バカヤロー」と共演者に怒りをぶつけて番組を盛り上げ、歯にきぬ着せぬ発言で話題を集めた。


2013年1月15日 提供:産経新聞

社会情勢レポート記事区切り

日本全国感染情報:水痘と咽頭結膜熱、宮崎流行【感染症情報:九州】
佐賀のインフルエンザ、依然多い 国立感染研

水痘と咽頭結膜熱、宮崎流行【感染症情報:九州】 佐賀のインフルエンザ、依然多い

 国立感染症研究所は1月11日、感染症発生動向調査週報(IDWR)第51号を発表した。2012年第51週(12月17日-12月23日)の発生報告を12月26日に集計している。

感染研は「1月中旬以降にインフルエンザの流行が始まる可能性が高い」と予想している。AH3亜型が8割以上を占めている。

インフルエンザウイルス分離・検出速報によれば、2012年第47-51週の5週間でA型の報告は186件。うち、「AH1pdm09」が5件(北海道、山形県、島根県)、「AH3亜型」が22都道府県から181件(栃木県、大阪府、北海道、神奈川県、千葉県、茨城県、長野県、新潟県など)となっている。一方、B型の報告数は少なく、「ビクトリア系統株」が12件(長野県、高知県、沖縄県)、「山形系統株」が11件(広島県、山形県、神奈川、兵庫県)と報告されている。

発生動向総覧から、九州エリア(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県)に関する報告を抽出する。かっこ内の数字は定点当たりの報告数を示す。

【福岡県】
腸管出血性大腸菌感染症2人、風疹1人、アメーバ赤痢1人が報告されている。

【佐賀県】
インフルエンザの報告数が全国で2番目に多い(8.63/全国2.23)。

【長崎県】
百日咳の報告数が全国で2番目に多い(0.07/全国0.02)。

【熊本県】
日本紅斑熱1人、つつが虫病1人、レジオネラ症1人、腸管出血性大腸菌感染症1人が報告されている。

【大分県】
感染性胃腸炎の報告数が全国で3番目に多い(24.61/全国17.00)。腸管出血性大腸菌感染症3人が報告されている。

【宮崎県】
前週に引き続き、水痘(5.56/全国2.16)および咽頭結膜熱(1.19/全国0.48)の報告数が全国で最も多い状況が続いている。つつが虫病1人が報告されている。

【鹿児島県】
水痘の報告数が全国で2番目に多い(3.85/全国2.16)。つつが虫病5人が報告されている。

【沖縄県】
インフルエンザの報告数が全国で4番目に多い(5.69/全国2.23)。


2013年1月15日 提供:国立感染症研究所

社会情勢レポート記事区切り

新型インフル特措法に異議  
近づく施行に危機感 感染症専門家に聞く

新型インフル特措法に異議  
近づく施行に危機感 感染症専門家に聞く 「医療新世紀」


昨年4月に成立し、今春に施行される新型インフルエンザ等対策特別措置法。政府が緊急事態を宣言すると個人の行動に制限を求めることが可能になるため、日弁連などから「過剰な人権制限」を危惧する声が上がったが、ここにきて感染症の専門家たちからも異議が噴き出している。昨年10月に日本感染症学会が開いた緊急討論会では反対意見が続出。討論会で座長を務めたけいゆう病院(横浜市)小児科の菅谷憲夫(すがや・のりお)氏に、特措法の何が問題かを聞いた。

 ―討論会では法律の内容はもとより、制定方法にも疑問が示された。

 「法整備の過程で、専門家集団である感染症学会やほかの関連学会への案内や相談は全くなく、いつの間にか国会で成立していた。ごく限られた医師や研究者の意見のみを反映した法律で、インフルエンザの専門家から見ると明らかに誤った内容が含まれている」

 ―誤りとは。

 「特措法は、鳥インフルエンザウイルスH5N1型が人で世界的大流行(パンデミック)を起こすことを前提にしているが、いくつもある可能性の一つにすぎない。今、世界の専門家が心配しているのはブタの間で流行しているH3N2変異型であり、次のパンデミックの最有力候補はH2N2型(アジア風邪)の再来。しかも10年、20年先の話だと思う。H5N1の出現が必至で時間の問題というような決め打ちは明らかな間違いだ」

 ―特措法は1918年のスペイン風邪並みに感染者の2%、約64万人が国内で死亡するとの推計を念頭に作られている。

 「推計が行われた97年当時はタミフルやリレンザといった抗ウイルス薬は存在せず、迅速診断もなかった。さらにスペイン風邪についてもよく分かっておらず、多くがウイルス性肺炎から致死率の高い急性呼吸窮迫症候群(ARDS)になって死亡したと考えられていた。しかし最近、死者の大半は細菌性肺炎の併発だったことが分かってきた。細菌性肺炎なら現在の医療で治せる。今は64万人という数字はあり得ないしナンセンスだ」

 ―対策として、海外からのウイルス持ち込みを防ぐための検疫や発熱外来、外出や集会の制限などが想定されている。

 「2009年のH1N1型の流行時に、検疫や発熱外来は全く機能しないことが証明された。世界保健機関(WHO)も検疫には反対だ。外出や集会の制限も流行を止めることはできず、社会にとってマイナス効果の方が大きい。早期受診、早期治療という医療体制を妨げ、かえって被害を拡大する心配もある」

 ―備蓄しているH5N1ワクチンを、大流行前に医療従事者やインフラ事業者などに接種するという点にも批判がある。

 「まず、備蓄ワクチンはH5N1以外のウイルスが出現した場合には何の役にも立たない。しかも健康成人6千人の治験で2人の入院例が出ており、重大な副作用の懸念がある。60万人に接種すれば200人が入院する計算だ。小児では高熱患者が続出し、治験を中止した経緯もある。こんなワクチンの接種は医学的に正当性がなく、倫理的にも問題がある」

 ―では、現在最も効果的な新型対策とは。

 「09年のパンデミックでは、米国の死者が1万2千人以上だったのに対し日本は約200人。諸外国に比べ極端に死亡率が低かった。これは早期に診断し、発症48時間以内にタミフルなどの抗ウイルス薬で治療することを徹底した成果で、WHOや世界の専門家から高く評価されている。流行の第1波は抗ウイルス薬で抑え、そのときに取れたウイルスで第2波に備えたワクチンを準備するのが最善の方法。新型対策は通常の対策の延長線上にある。(特措法は施行されるが)それが阻害されるようなことがあれば専門家として反対していく」(共同=赤坂達也)


2013年1月15日 提供:共同通信社

社会情勢レポート記事区切り

九州歯科大がベトナムに医療チーム派遣

ベトナムやタイ、カンボジアには米国軍がまいた、枯葉剤(ダイオキシン)の作用で、いまだに、奇形児出産は続いていて、160万人以上の奇形児が確認されています。べトちゃん、ドクちゃんの身体が結合した双子の手術が数十年前にニュースになりましたが、彼らも50歳を超えて生きて居ます。ダイオキシンは環境汚染ホルモンとして、分解せず、自然界に蓄積する傾向にあり、低温度燃焼による
塩素化合物の酸化過程で発生もします。喫煙による副流煙には10本でWHOの規定値を超えるダイオキシン発生があり、公共社会での全面禁煙が望まれます。


 九州歯科大(福岡県北九州市小倉北区)の冨永和宏教授(55)ら歯科医療チームが昨年12月下旬、生まれつき上あごや上唇が割れている「口唇口蓋裂」に悩む途上国の子供らへの手術ボランティアとして、ベトナム・ベンチェ省を訪問し、手術を行った。

 同大では個人の派遣は10年ほど前からしているが、チームでの派遣は今回が初めて。冨永教授は「患者さんが普通の人生を送る手伝いができればうれしい」と話している。

 日本口唇口蓋裂協会(名古屋市)の医師団に参加する形でベトナムに行った。同協会は、1992年からベトナムやモンゴル、エチオピアなどにボランティアの医師団を派遣しており、これまでに約4000人の患者を治療してきた。今回の派遣には全国の13の病院、大学から約40人が参加し、昨年12月21〜30日の日程で訪問し、生後3か月〜60歳までの約60人を治療した。

 チームは、冨永教授のほか、麻酔科医の渡辺誠之教授(53)、土生(はぶ)学助教(39)、看護師の立花香織理さん(33)で組織。冨永教授は10年から3年連続での参加で、土生助教も3年ぶりに加わった。同省の総合病院の手術室で、12人の手術を行った。

 現地では、右側の眼球やほお骨がない16歳の女性に、傷痕を隠すことができる特殊な眼鏡も贈った。冨永教授は「引っ込み思案な女性だったが、明るい笑顔を見せてくれた」と振り返る。

 土生助教が3年前に治療した女の子がお礼に訪れ、1輪の花を手渡してくれる一幕も。土生助教は「覚えてくれていて、うれしかった」と笑顔を見せる。

 冨永教授は「回復を喜び、頼りにしてくれることにやりがいを感じる。今後も、必要とされることをやっていきたい」と話している。


2013年1月12日 提供:読売新聞

社会情勢レポート記事区切り

米マサチューセッツ州でインフルエンザの流行が拡大 
ボストンが非常事態を宣言

【ボストン(米マサチューセッツ州)DPA=共同】米北東部マサチューセッツ州の州都ボストンの公衆衛生局は9日、州政府が昨年10月以来のインフルエンザによる死者が18人になったと報告したことを受け、公衆衛生上の非常事態を宣言した。

 死者のうち少なくとも4人がボストン市内で発生、また今シーズンの市内の感染者は700人を突破し、前年同期の70人から急増した。

 CBSテレビが米疾病対策センター(CDC)の統計として報じたところでは、米国50州のうち少なくとも44州で広範な地域でインフルエンザが流行しており、抜き取り調査によると全米で数十人の死者がでているとみられるが、これまでのところ正確な数字は発表されていない。CDCでは死者には子ども18人が含まれているとしている。
 ボストン市のフェラー公衆衛生局長は、市内の感染者はこの2週間でほぼ2倍になっており、今後数週間で流行のピークを迎えるとの見方を示し、市民に厳重な警戒を呼び掛けた。


2013年1月11日 提供:共同通信社

社会情勢レポート記事区切り

新型ノロウイルス「シドニー2012」が大流行 
オーストラリアから世界中に広がる

 【ロンドン・ロイター=共同】英健康保護局(HPA)は9日、昨年秋以降に世界中で流行しているノロウイルスについて、オーストラリアで最初に見つかった「シドニー2012」と呼ばれる新しい変異型が英国をはじめ日本、フランス、ニュージーランドなど各国に広がったことを明らかにした。

 HPAによると、英国では今シーズンに入ってイングランドとウエールズで計4140人がノロウイルス感染が確認され、流行のペースは例年を63%も上回っている。検査の結果、その多くが新型のシドニー2012であることが判明した。ただ、症状は激しい嘔吐や下痢、発熱などほかのノロウイルスと大きな違いはないという。

 ノロウイルスは突然変異を繰り返しており、新しい変異型が常に出現している。このためさざまな種類のノロウイルスが同時に流行するのが一般的。しかし今シーズンはシドニー2012が徐々に優勢となり、ほかのウイルスの流行を圧倒したという。


2013年1月11日 提供:共同通信社

社会情勢レポート記事区切り

歯科治療が必要とされた半数の子どもが受診しない

幼児、学童の歯科初診料や、オーラルケア指導などの窓口負担を無料にすべき、咬合崩壊による生活習慣病の根源的解決になります。


大阪府歯科保険医協会 小学校調査
背景に経済的困難も「窓口負担を無料に」 協会提起

 大阪府歯科保険医協会が昨年、府内の公立小学校での歯科検診について行った調査で、2011年度治療が必要と診断された子どもは3人に1人、うち歯科医院を受診した子どもは半数にすぎないことが分かりました。

 調査は、府内公立小学校1017校にアンケートを送付。回答があった156校で歯科検診を受けた子ども6万9721人のうち「要治療」は2万3224人で33・3%。

そのうち歯科医院を受診したのは1万1565人(治療率49・8%)でした。

 治療率(治療完了または治療中)が最も低い学校は11・8%、最も高い学校で92・7%と大きな差がありました。

協会では「治療が必要とされた半数の子どもが受診しない、またはできないという結果に驚かされた」と話します。

 回答を寄せた養護教諭で、「経済的な理由で歯科治療を受けることができず、口腔(こうくう)内が『崩壊状態』(むし歯が10本以上ある、歯の根しか残っていないような未処置歯が何本もあるなど)と見られる子に出会ったことがある」は61人(39・1%)で、事例は61件ありました。

 「永久歯のむし歯が14本」「入学時から4本くらいしかなかった」など、食事すら困難ではないかと思われる事例も多いといいます。その実態からは、▽生活保護や就学援助を受け、経済的に困難を抱えている家庭▽口腔内に対する親の意識が低い▽ネグレクト(育児放棄)の傾向が見られる、などの特徴があると指摘。「家庭内の困難が口腔崩壊という現象となって象徴的に現れていることがうかがえる」としています。乳歯がむし歯や抜歯となることで、顎骨の成長や永久歯に影響が及ぶといいます。

 同協会は、すべての子どもが安心して必要な歯科治療を受けられるように直ちに対策が必要だとして、▽窓口負担を無料にする(府下43自治体のうち27自治体は子どもの医療費助成が「就学前」以下)▽検診時の歯科衛生士の配置など、行政の責任による検診の抜本的強化▽学校、行政、地域の歯科医院の連携した口腔保健のとりくみ、などをあげています。

医科歯科通信記者 氏
長年にわたり歯科界の動きをチェックし、鋭い視線で切り込みます。茨城県出身。(医科歯科通信)


2013年1月8日 提供:新聞赤旗

社会情勢レポート記事区切り

米国人の健康度は最下位 日本など17先進国で

【ワシントン共同】米国人がどの程度健康で長生きできるかを日本や欧州を含む17の先進国間で比較したところ、病気や事故による死亡率や平均余命など多くの指標で健康度が最も低かったとする報告書を、科学者組織の全米アカデミーが9日発表した。

 日本人女性の出生時平均余命は17カ国中1位(85・98歳)、日本人男性は3位(79・20歳)だったが、米国人女性は16位(80・78歳)、米国人男性は17位(75・64歳)と短かった。

 報告書はこうした結果について、医療制度の問題や高カロリーの食習慣に加え、銃犯罪や自動車依存といった社会的要因も大きいと指摘。他の先進国を参考にして早急に改善策を検討するよう求めている。

 報告書は健康向上策に役立てるため国立衛生研究所(NIH)が作成を依頼。米国民1人当たりの医療費は日本や欧州各国、カナダ、オーストラリアに比べて高いが、50歳までに死亡する人の割合は男女とも米国が最も高かった。

 肥満や糖尿病といった生活習慣病のほか、銃犯罪や交通事故、薬物被害や性感染症などによって若年層の健康が損なわれているのが背景。50歳以上まで生きた人の生活の質を落とす結果にもなっていると分析している。


2013年1月10日 提供:共同通信社

社会情勢レポート記事区切り

安部政権の医療分野でのキーワードは?
すばやい動きがなければ、来夏の参院選の試金石

 来夏の参院選が試金石

 政権奪還が明確になり、安倍氏は1時間をかけてメディア各社とのインタビューに順に応えた。安倍氏は「迅速に期待に応えなければならない。今晩から、エネルギー、景気、安全保障をはじめ課題に取り組みたい」と語った。

 厳しい表情を見せるのも、メディア各社の分析が出ている通り、「自民党が圧勝したわけではなく、民主党が惨敗した」という状況があるからだ。石破氏は安倍氏が登場する前にインタビューで「民主党がだめですね、となった。第3極もよく分からなかった」と、敵失による自民党圧勝の流れを分析していた。

今回、圧勝したからこそ、医療に限らず当てはまることだが、時間をおかずに医療の面でも目に見える成果を見せなければ、有権者からの失望を招く可能性があるのも確かだ。政権公約から拾ったキーワードは、「医師の処遇改善」「医療機器の充実」「予防医療」「医療保険財政の健全化」「医薬品開発の支援」「在宅医療の促進」といった言葉が見て取れる。どこで自民党が動きを見せるか、決して具体的とは言えない政権公約の項目から一歩進めた具体的な施策に関心が移っていくだろう。来夏の参院通常選挙が自民党の初期の評価を見る上では試金石となる。


2013年1月6日

社会情勢レポート記事区切り

外来種の毒グモ「セアカゴケグモ」の被害が増加

 外来種の毒グモ、セアカゴケグモの被害が国内で増えています。成体のオス(脚を含まない)は体長が約3〜5mm、腹部は白色を基調として2本の黒い縦縞があります。メスは体長が約1cm、形態的には、脚が長く、腹部が球形で大きく、光沢のある黒色又は暗褐色を基調として、腹部の背面に赤色の"砂時計"様、又は"鼓(つづみ)"様の模様があります。日本では、1995年9月に大阪府高石市で初めて確認されました。

 2012年の9月に福岡市で介護施設に入居する86歳の女性が、体長約1aのセアカゴケグモに咬まれ、救急車で病院に搬送されました。又、兵庫県尼崎市では9月5日に橋の下の歩道の側溝内で100匹以上のセアカゴケグモが発見されました。被害はありませんでしたが、警察や市の確認では約100bに亘って巣を作って生息していました。2012年は20件程の発見情報が確認されています。セアカゴケグモはこれまで、西日本での目撃例が多かったのですが、2005年に群馬県、2011年には宮城県で確認されるなど全国各地で工場内、公園のブロックの隙間、墓石の隙間、道路側溝の蓋の裏などから発見されています。

 強い毒は持っていますが、攻撃性は弱くおとなしい性質です。咬まれた時は針で刺されたような痛みを感じ、その後、咬まれた場所が腫れたり、熱く感じたりします。症状のピークは3〜4時間で、数時間から数日で軽快しますが、時に脱力感、筋肉痛、頭痛などの全身症状が現れることがありますので、病院で治療を受けることが必要です。セアカゴケグモを見つけても、素手で触ったり、捕まえたりすることは危険です。

 病院では痛み止めの注射などで対処しますが、西日本ではセアカゴケグモの目撃情報が多いことから血清を準備している病院もあります。人が咬まれる被害が続いていますので、いかにして侵入と繁殖を防ぐか、対策を考える必要があります。


2012年12月30日

 

前のページへ最新情報