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1998年「マイタウン らぶりぃあさお」掲載記事より。



1998年1月マイタウンらぶりぃあさお掲載
キシリトール2
私たちは疲れたときやお腹がすいた時に、甘いものを食べて心の底から幸福感を感 じます。昭和30年代になって酵素によって澱粉を分解し、グルコース(ブドウ糖)や水 飴を大量に安く生産できるようになり、最近では、輸入トウモロコシを原料にしてい ます。  グルコースや水飴を高温高圧下で水素添加すると、ソルビトールや還元水飴などの 糖アルコールも大量に生産出来るようになりました。食品添加物として認可された糖 アルコールはソルビトール、マルチトール、ラクチトール、パラチニット、還元水飴 と最近認可されたキシリトールがあります。比較的甘味が強く、蔗糖シュークロース の0.4〜1倍。微生物による発酵を受けないので虫歯にもなりません。単独では、甘 味がおいしくなく、通常は混合して使用されています。味の点から考えるとキシリト ールが1番おいしいようです。

1998年2月マイタウンらぶりぃあさお掲載
キシリトール3
シュガーレス甘味料の中で虫歯を作らない物は、パラチノース、トレハロロース、 ソルビトール、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、パラ チニット、還元イソマルトオリゴ糖、そしておいしい甘味のキシリトールなどの糖ア ルコール。高甘味であるアスパルテーム、ステビオサイドがあります。糖アルコール はカロリーが低く、例えばエリスリトールは0カロリーです。  虫歯にならない甘味料の作用としては、1、バイ菌のネバネバグルカンの合成を抑 えて、歯垢が弱くなりとれやすくなる。(パラチノ、トレハロ、マルチト、還元イソ マルトだけの作用)2、蔗糖代謝を抑え、酸を作りにくくする。(ソルビトールの作 用)。3、虫歯バイ菌(ミュータンス\レンサ球菌群)の発育を阻害する。(これが キシリトールの虫歯予防作用の中で注目されている)

1998年3月マイタウンらぶりぃあさお掲載
キシリトール4
前回キシリトールの作用で虫歯菌の発育を阻害すると書きました。最近キシリトー ル耐性菌群が報告されていますので、安心はできません。虫歯にならない甘味料の作 用の4唾液分泌を促し、脱灰を抑制(糖アルコールの作用というよりはガムによる唾 液分泌促進)、5エナメルの再石灰化(キシリトールだけでなくほとんどの糖アルコ ールは脱灰を防ぎ、その結果として再石灰化を促します。キシリトールは優れた複数 の作用を有する点で他の糖アルコールより優れているようです。)以上5つの虫歯に ならない甘味料の作用を挙げました。でも一番大切なことは、やはり食べたらすぐに ガムを噛むなり、クリーニングケアを行うことです。食後3分以内が勝負です。特に 眠くなっているときは、唾液の分泌量が少なくなり、バイ菌が増え、口の中の酸性度 が進みます。寝る直前には食べないように。

1998年4月マイタウンらぶりぃあさお掲載
キシリトール5
シュガーレス菓子や食品の包装表示の言葉に関しては、特定保健用食品に認可され ている言葉(虫歯に安心、虫歯になりにくい、虫歯の原因になりにくい、歯に優しい )。規制外の(歯を大切に、歯に安心、歯の健康に)言葉があり、規制外の言葉がは いったものには、虫歯になりやすい甘味料を使ったお菓子もありますので注意が必要 です。安心できる食品は日本トウースフレンドリー協会のマーク(歯の上に傘のマー ク)が付いています。食べる時のコツ。1.食べ始めと食べ終わりのけじめをつける。 2.だらだら食べず、短時間に食べる。3.お腹がすいてから食べる。4.寝る前2時間は 食べないようにする。5.糖質はできるだけ午前中に食べる。6.食中は消化液を薄める 液体を飲まずよく噛んで。7.食事の最後には、噛みごたえのある歯の掃除になる物を 食べる。8.食後3分以内に掃除です。

1998年5月マイタウンらぶりぃあさお掲載
緊急報告:材料の安全について
ホルモン様化学物質(環境ホルモン)は、生物の生態や遺伝に大きく影響を与え、 数は、今後も増え続けると思われますが、塩素系のダイオキシン、合成樹脂材料のビ スフェノールAは特に今問題になっています。ADA(アメリカ歯科学会)の最新ニ ュースでは現在歯科材料で使われている合成樹脂材料に全く含まれていないので安全 であり、問題となった樹脂は、デルトンといわれる歯科材料で20年前に予防充填や矯 正に使われたが、現在は新しい別の充填樹脂が使われ、デルトンは使用されていない 。また口腔内環境でのフェノールAの検出はないとレポートしています。水銀と銀紛 を使ったアマルガムについても人体への影響、病気との因果関係はないと報告されて います。安心して治療を受けられます。しかし、火葬を行う日本においては、蒸気水 銀を発生し、環境汚染の原因となるでしょう。

1998年6月マイタウンらぶりぃあさお掲載
たばことダイオキシン
近年特に若い女性の喫煙率の上昇が顕著です。たばこには4000種以上の有毒物 質が、同定され、しかも煙の中には、あのダイオキシンも、検出され個人曝露の1日取許 容量10pg\TEQ/kg/dayの30%相当を占め、その毒性、発がん性、生殖毒性、内 分泌かく乱性など最も毒性が強く 環境中への放出量としても無視できないものです 。全体としても個々の成分から捉えても、リスク管理の観点からは一般規制レベルを 遥に越えるリスクを有しています。  関連のある病名を列記します。肺、咽頭、口腔、舌、食道、すい臓、膀胱、子宮頚 部の各がん、虚血性心疾患、大動脈瘤、末梢血管閉塞症、脳血管疾患、くも膜下出血 、慢性気管支炎、肺気腫、ぜん息、不妊、早産、低体重児、先天異常、妊娠合併症、 白内障、骨粗症、早期閉経、糖尿、しわ、胃潰瘍、脱毛、神経症、歯周病。

1998年7月マイタウンらぶりぃあさお掲載
たばことダイオキシン
たばこの煙の中にダイオキシンが含まれていると書きました。一日許容量とされてい る、10pg-TEQ/kg/dayの30%ぐらいを10本のたばこの煙から吸い込んでしまう。 世界保健機構WHOは、先日許容量変更を行い、半分以下に削減したので喫煙してい る人はもちろんのこと、周りでけむい空気を吸っている人も安全とは言えないわけで す。多 くの有害性が立証されていて大変巨額な社会的損失(医療費、青少年対策費、火災) が発生していてさらに将来数世代に及ぶ遺伝的悪影響が懸念されているにも関わらず 、政府も厚生省もマスコミもほとんど規制しようと動いていません。麻薬などのドラ ッグと同じかそれ以上の常習性、薬物依存性があり、個人の努力や意志で禁煙するこ とは難しいのですから、10代の青少年対策も含め公共施設や飲食店など人が集まるス ペースでの完全禁煙を実施すべきです。

1998年8月マイタウンらぶりぃあさお掲載
再・ハミガキ日本の非常識
長い間毎日使うものですから、使っているうちに歯が削れてしまったり、歯肉がさ がってきたりしては困ります。選ぶポイントは優しさです。まず毛先はソフトとか極 細といわれているもの。ハンドルネックはしなやかにしなるロングネック。ハンドル は濡れた手で持っても滑らないラバーグリップが当然です。そしてコンパクトヘッド は、磨くのに時間ばかりかかり、まだら磨きや磨き残しができるので、ヘッドは四列 植毛以上で大きさは大きいものの方がよいです。形としてはヘッドのつまさき部分を 使って奥歯の面を磨きやすいように卵型、もしくは三角形に、先端で二列植毛位にな っているものがいいです。また歯面に直角に押付けて一度に三歯分カバーする大きさ 以上がいいです。正しい動きならばハブラシは六か月使えます。一か月で交換してい たら、十年たった時自分の歯はどうなりますか。

1998年9月マイタウンらぶりぃあさお掲載
審美1
松田聖子さんの影響で最近審美歯科がクローズアップされました。歯を白くした り、セラミック修復したりすることは以前から行われていた治療法で、最近の審美歯 科は、歯並びや顔貌なども考慮にいれ機能だけでなく見た目をより重要視するように なりました。芸能関係の方のように長期のわたる治療が不可能な場合、外科的に歯並 びを直したり、歯の神経をとってかぶせたり、短時間で修復します。このような治療 法のメリットは、コストはかかりますが、短期間四週間前後になること。  しかしデメリットは大変多くあります。一つは生きている歯を殺すことで耐用年数 が非常に短くなり、かつ根面カリエスになりやすく口腔内の衛生管理を必ず半年ごと に衛生士で管理をしていかなければ、十年前後で再度作り直しが必要になる場合があ ります。次回はセラミックです

1998年10月マイタウンらぶりぃあさお掲載
審美2
セラミックスで歯を直す場合、お茶碗にも日本のノリタケやイタリアのジノリ といったブランドがあるように、同じセラミックスでも、三タイプの種類と各メ ーカーから十種以上のブランドとしてセラミックス材料が、提供されています。 患者様から白い歯を希望された時セラミックスの利点である自然感、審美感とメ タルを用いない場合のアレルギーフリーといったことはもちろんですが、大切な のは耐久性と適合性(耐久性とは、 セラミックスは、強い力をうけると割れるということと、適合性とは、製作過程 での変型が大きく、削った形に精密に合わないことによって また虫歯になった り、取れたりすることがある)です。タイプによって耐久性と適合性は大きく異 なり、価格も数倍の差があります。  次回からタイプ別に説明していきます。

1998年11月マイタウンらぶりぃあさお掲載
審美3
審美歯科で被せ物や詰め物をする場合に使われる、見た目に自然な歯の色をし た修復 物は、(ソ表面がセラミックで、内面がメタルのようになっている陶材焼き付け 冠、(タセラミック及びガラス結晶体のみでできているセラミックスだけの被せも の、(チセラミックスとプラスチックの混合したハイブリッドタイプの三つにわけ られます。(ソの特徴としては、メタルを使用していることで、メリットは、多数 の歯の連結やかむ力によってたわんだりするような長い連結装置のブリッジや、 審美的修復物としては、すでに数十年の歴史があり、セラミックスの強度の向上 に伴って安定した結果が長期に渡って得られるので一般的に使用されています。 しかしメタルを用いることによって、口腔内のメタルイオンによる歯肉の着色や 食べ物の味の変化、メタルアレルギーの原因となったりしています。続く。

1998年12月マイタウンらぶりぃあさお掲載
審美4
30年くらいの研究の成果でセラミックの膨張収縮のコントロールや衝撃へのも ろさを改善し、自然歯エナメルに近いやわらかさを実現しています。代表として は、IPSエンプレスがあり、鋳型に流し込んで貴金属鋳造冠のように精密に仕上 げることができます。このタイプはメタルを使用せず、色調も完璧なくらい自然 で、アレルギーフリーなのでメタルアレルギー体質の方や歯肉がすぐにメタルイ オンを吸収して黒く変色する方におすすめです。接着システムは、コンポジット レジンセメントやアクリル系のスーパーボンドセメントを用いていますので、セ メントのだ液への溶けだしや2次虫歯による、根面の破壊が、起きづらく接着力 も他のセメントに比べると、数倍強くセラミック内面をシラン処理を行うこと で、歯質形成面と強固に一体化し長期にわたる安定性を期待できます。