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「マイタウン多摩山手・あさおたま」掲載記事より。

2008.11月27日号 2009.2.26号 マイタウン多摩・山手掲載
公共禁煙は正しい方向です
禁煙区域を広げ喫煙機会をなくすこと、一会社や商店、飲食店での率先は難しいです。
カリフォルニアで10年も前に施行された公共の場所などの禁煙法案は確実に効果をあげ、州医療費が15年間に860億ドル(約9兆円)削減できました。中高年のQOL(クオリティオブライフ)を高め医療費削減に大きな効果をあげ、中高生の喫煙をなくしてさらに未来の医療費は減る。タバコ銭が他への消費活動になり、社会全体にとっても良いことばかりです。
今の日本の禁煙活動は、世界の流れから10年以上も遅れています。神奈川県は率先して禁煙条例を採択し、海岸、公園、道路、飲食店舗内などの公共の場、すべてのエリアで一日でも早く完全禁煙にすべきです。分煙では、効果はありません。毎年多くの人が肺がんや動脈硬化で亡くなっている原因の多くは、喫煙の煙からですから。
 
2008.10月23日・2009.1.1号 マイタウン多摩・山手 2009.4.9号あさお・たま掲載 
歯医者は嫌いですよね?
良心的な?歯医者さんほど歯を削るのは嫌いなんです。1回削って治療した歯は10年位の周期で再治療が必要になるからです。20年大丈夫だった人は、毎日のお手入れが正しく実行されていて丁寧な治療を受けられた証拠でもあります。「歯を3回削ると、その歯は失うことになる」というデーターもある位です。まずは自分の修理した歯と歯の間に糸楊枝フロスを通して、ザラザラする、通らない、引っ掛るようなら、大変です!すでにまた虫歯が進行していることは確実です。また、フロスで外れるくらいの修復物は接着していないのですから内部は虫歯になりやすく、神経を取った歯は痛くないので内部の虫歯が大きくなっていても、気づかないのです。
自分で毎日フロスを使うこと、半年毎にクリニックでオーラルケアを受けることは、80年に及ぶ人生でいつまでも健康な歯を保つ秘訣です。
 
2008.7月10日号 マイタウンあさお・たま 9月25日号多摩山手掲載
歯科の内科的療法 2
削らず、詰めず、塗る虫歯治療法の3MIX-MP法がマスコミに出て、ネットを見た患者様が訪れます。  
カリソルブという染色法で虫歯を柔らかくし、歯を削らずに指先の力で除去する虫歯治療。
キュイーンと響くジェットタービンと違い、低速で滑らかに回る新タービンなどの新ツールで、優しく丁寧に削る方法。
MI治療法が普及しつつあります。MIはMinimal Intervention「最小限の侵襲」、今ある歯をなるべく削らずに保存しよう、 という考え方で、無痛治療や抜く、削るをできるだけ避ける治療法の流れです。
無麻酔治療も同じ流れ、 麻酔して感覚のマヒした歯は、削る時に歯の神経に刺激や傷を与えている場合が多
く、、虫歯が深く神経の損傷があっても神経の状態が分からず、削ることで損傷を広げ、治療後に知覚過敏が残ったり治療後に神経が死んで来ることもあるのです。
 
2008.6月12日号 マイタウンあさお・たま 8月28日号多摩山手掲載
歯科の内科的療法 1

削らず、詰めず、塗って待つ虫歯治療法の3MIX-MP法がマスコミに取り上げられ、当院にもネットで調べた患者さまがよく訪れます。来院の理由の多くは、痛くない無痛治療、抜いたり削ったりをできるだけ避ける治療法を受けたいためです。
この3MIX法は、10年くらい前から普及していますが、保険の治療としては認可されていません。自費治療となり、治療が保険と自費の混合となることが問題視されています。この症例の場合、今の保険のルールでは、保険と自費の混合は認められていないのです。保険治療に関わる分も、すべて自費扱いになるのです。最新材料や術式を求めて来られる患者さまには、大きな負担になります。また、患者さまにできるだけ負担をかけない治療を目指しているドクターにとっても、治療技術だけでなく、財政的にも理不尽なことだと思います。

 
2008.7月24日号 マイタウン多摩山手掲載
口臭予防 7
歯科衛生士からオーラルケア指導を繰り返し受けて上達すると、24時間歯垢の少ないプラークコントロールをマスターできます。その確認に「染め出し」を薦めます。クリニックで30回分ほどが300円前後で購入できます。
歯垢コントロールは、特に歯の間、歯周ポケットが大事です。歯磨きによるコントロールと共に、善玉菌を増やし、口臭の原因の一つである歯周病菌を減らす方法もあります。ケアの際に抗菌液と歯磨きクリームを併用することはもちろんですが、乳酸菌のLS1は歯周病菌代表のPジンジバリス・Pインターメディア・Pニグレッセンスの増加を抑えます。LS1ではなくても乳酸菌醗酵食品は、口の中のバクテリア群に働きかけて、ネバネバと固着する歯垢の増殖を抑制してくれます。ただし、口の中が酸性だと虫歯に成りやすいので、3AMジャストケアが大切です。
 
2008.6月26日号 マイタウン多摩山手掲載
口臭予防 6
歯垢(プラーク)は、溜めてからの除去は難しいので溜めないタイミングのオーラルケア、歯垢が増える主体のバクテリアの活動を抑える方法を紹介します。
@抗菌成分入り液体と歯磨きクリームを併用し、食後3分以内の3AM(3minutes AfterMeal)ジャストケアで、バクテリアの増殖前にきれいに歯垢を落とす。
A歯間、歯周ポケット内の隠れプラークを毎食後に糸楊枝で立体的に擦り取る。その際、糸にも抗菌液を使うと良い。特に糸楊枝は大切なので、毎日使用する。
B手磨きの歯ブラシは鉛筆持ちで、毛先で小さい「のの字」を描くように回転させ、大きなストロークで歯を擦らない。
C電動歯ブラシは、回転型音波を選び、手磨きと併用する。
  これらの方法はゴルフやテニスなどと同じで、自己流では歯垢除去のスコアは上がりません。指導を繰り返し受けて上達します。
 
2008.5月22日号 マイタウン多摩山手掲載
口臭予防 5
口臭の8割以上が、お口の中の環境が悪化して歯垢が増えることによります。歯垢という口腔内バクテリア・細菌のバイオ膜が、歯の間、歯根面、舌、歯周ポケット内に形成され、メチルカプタンや硫化水素などの有毒ガスが発生するのがにおいの原因です。
歯科治療を多く受けている人は、特に修復物の接着隙間・段差に歯垢は隠れて溜まります。入れ歯やブリッジなども歯垢が溜まりやすく、歯ブラシだけのお手入れでは磨き残しが全体の50狽烽ナきるのです。においの原因を断つには歯垢を溜めないプラークコントロール法が基本です。
歯垢は、食後にはすごい速度で増殖しています。3時間経つと100倍以上にもなり、固着成分ができてきて簡単な短時間のお手入れでは除去が難しくなります。更に残った歯垢が夜寝ている間に増殖し、磨いているのに数年で虫歯と歯周病が育ちます。
 
2008.4月24日号 マイタウン多摩山手掲載

口臭予防 4

あなたはどのタイプ?
@ニンニクやキムチなど頻繁に食べ、朝、匂いが気になる。
Aビタミン剤や漢方を常用し、舌が白くなったり粘つく。
B歯肉が腫れたり、磨いている最中に時々血が出る。
C何度磨いても臭いがあるようで気になる、不安である。
@は、きれいにお手入れをすれば、すぐに消える匂いです。
Aは、免疫力不足や疲れ、ストレスで体調が悪い時はお口の中の細菌も増えるので、舌や歯肉もきれいにお手入れをし、食事中は良く噛み唾液をしっかり出しましょう。
Bは、クリニックで歯周治療とオーラルケア指導を受ければ、数か月で良くなります。
Cは、口臭測定を受けて結果が良い場合は口臭恐怖症の場合もあり、心療内科などを紹介してもらいましょう。
口臭原因の80%はお口の中の歯垢が原因です。自己流でオーラルケアをせずに、正しい方法を身に付けましょう。
 
2008.3月27日号 マイタウン多摩山手掲載

口臭予防 3

日本歯科医師会は、啓蒙のためホームページを設けています(www.jda.or.jp)。とり上げているのは、
1.歯周病、
2.ムシ歯、
3.口臭、
4.顎関節症の4テーマで、口臭に大きなウエイトを置いています。

内容を一部紹介しますと、
口臭の自己診断〜こんなことが当てはまったら要注意!〜
○自分で口臭があると思う
○家族や他人に口臭を指摘されたことがある
○食後すぐには歯を磨かない
○治療をしていないムシ歯がある
○たばこをよく吸う
○歯石がある
○舌が白っぽい
○口の中がネバネバする
○食べ物がよく歯にはさまる
○歯ぐきから膿が出る
このような表が出ています。
口臭予防は現代人のエチケットです。口臭に悩む人は少なくありません。口臭は悩むより、まず正しい知識をもつことが大切です。そして、その原因を解決することで口臭は解消できます。


2008.2月28日号 マイタウン多摩山手掲載

口臭予防 ばい菌プラークを作らないコツ2

食事最後に、タクワン、キムチなど乳酸醗酵の漬物、納豆やヨーグルトなどの醗酵製品を食べると、お口の中の歯周病菌の活動を抑制してプラークを少なくし、結果、口臭や歯周病予防になります。

乳酸が多く酸性度の高い食材は、そのままだと酸による脱灰で虫歯の発生を増やすので、食事直後のお手入れが重要です。食事中から増えるプラークは、どこに発生しているか?

それは、歯と歯の間、歯の根元の陰に隠れプラークとして存在します。その隠れプラークが食後の数時間で爆
発的に増えるのです。増えてしまった後からのお手入れでは落ちません。夜寝る前のお手入れも、確かに欠かせません。

でも、夕食後から寝る前までプラークは増え続け、粘着デキストラン多糖体のネバネバを増やし、こびりついて
しまうのです。増えない内に歯間のお手入れは、食後3分以内に行ないましょう。


2008.1月31日号 マイタウン多摩山手掲載

口臭予防 ばい菌プラークを作らないコツ1

プラークというばい菌膜ができ、そのまま数時間経つと、確実に酸による脱灰や、ばい菌毒素による歯周炎のリスクは上り、歯間の食べカスが腐敗して口臭も発生します。

プラークの形成は食事中から始まり、食後すぐに爆発的に増えます。プラークを増やさない食事は、「良く噛む、意識して噛む」ということから始まります。牛乳やジュースでも、良く噛んで飲みましょう。ソムリエのワインだって同じ、舌への味の浸透もよくなり、脳の活性化にもなります。また、脳の飽食飢餓中枢への刺激となり、食べ過ぎの予防にもなります。お口の中で溶けて、お口の中へ入れた瞬間に美味しいと感じるものほど、お口の中を汚しプラーク形成を促進するようです。そういうものは食事の最初に食べ、最後は良く噛む食材を選び、噛むことでお口の中を綺麗にしましょう。噛む回数は30回以上が良いです。


2008.1月1日号 マイタウン多摩山手掲載

口臭予防、ばい菌プラークとの戦い方

口腔内細菌を殺菌してプラークコントロールするのは、基本的に歯周炎などが重症化した部分や初期治療だけに留めるのが良いでしょう。口腔内を無菌にするのは不可能ですが、長期に殺菌性の歯磨き剤を使うのは控えた方が良いと思います。

常在菌は免疫力のバランスに大切な役目があり、殺菌するとデメリットも発生します。私たちの常在菌。生まれながらに親から引き継がれた細菌群は、皮膚や粘膜、口腔内、腸内にたくさん存在し、100兆個以上、重さでは1キログラムにもなります。

なぜこんなに多くの常在菌を繁殖させているのか?免疫システムとして、重要な役割があるはずです。常在菌との小さな戦い、防御と共生の中で生まれてくるもの。常在菌群の持つその他の病原菌の侵入や繁殖を抑えてくれる力を利用しながら、常在菌との小さい戦いにも勝つことが大切です。どう戦うのかは次に。