2009.12月22日号 マイタウン多摩山手掲載 |
歯医者は嫌いですよね?B |
「2人に1人が口の中に異常を感じても治療しない」という一般生活者意識調査結果があり、治療を中断する方も9.4%、実に日本人の6割が未治療者となります。お口のケアができていれば身体に及ぼす怖い影響もなく、若さを保ち健康に…。日本人の6割に命に関わる歯の大切さ、お口の健康状態の危険度が理解されていないのか?それとも、幼少時の怖い思い出や不明瞭な医療費の経験があり歯医者に行くのを避けさせているのか?結果、重症化し日本の医療費が減らないわけです。海外では虫歯も歯周病も100%近く予防できた国もあるのに悲しい現実です。でも、でもです!歯医者さんも変化している!痛くないのは当り前。患者さんの話を聞くカウンセラーがいて、治療や材料の説明、治療の進め方、料金の支払い方の相談もしっかり。だ液や咬合わせの診断から病気のかかりやすさまで調べるんです。 |
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2009.11月22日号 マイタウン多摩山手掲載 |
歯医者は嫌いですよね?A |
良心的な?歯医者さんほど歯を削るのは嫌いなんです。1回削って治療した歯は、10年位の周期で再治療が必要になるからです。20年大丈夫だった人は、毎日のお手入れが正しく実行されていて、丁寧な治療を受けられた証拠でもあります。「3回削ると、その歯は失うことになる」という統計もある位です。まずは自分の修理した歯と歯の間に糸楊枝フロスを通して、ザラザラする、通らない、引っ掛るようなら、大変です!すでにまた、虫歯と歯周病が進行していることは確実です。また、フロスで外れるくらいの修復物は接着していないのですから内部は虫歯になりやすく、神経を取った歯は痛くなく内部の虫歯が大きくなって、気づかないのです。
自分で毎日、フロスで隣接面ケアをする、半年毎にクリニックでオーラルケアを受けることは、80年に及ぶ人生でいつまでも健康な歯を保つ秘訣です。 |
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2009.10月22日号 マイタウン多摩山手掲載 |
うがいや歯ブラシでは歯周病除菌は無理ですA |
歯周病菌が蝕むのは口の中だけではありません。歯周病菌は、歯肉ポケットや気管から体内に侵入します。血管を通じて全身に運ばれ、毒素を出し、各臓器内で増殖するなどして身体に影響を及ぼします。
多くの種類が出ているマウスウオッシュや歯磨きクリームですが、CHX(グルコン酸クロルヘキシジン)という成分が0.5%含まれていないと除菌効果はないのです。多くの製品に含まれる低濃度アルコールや希釈されたハーブエキスなどでは、効果は実証されません。また、1日に2回程度の使用では、明らかに効果はありません。うがいをするだけのマウスウオッシュは、歯についたばい菌のバイオフィルムの表面を流れるだけで、内部まで浸透するというのは、ほとんど嘘です。固まった寒天やゼリーにシロップをかけた状態と同じです。しっかり崩さなければ、全体に浸透しません。 |
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2009.9月24日号 マイタウン多摩山手掲載 |
うがいや歯ブラシでは歯周病除菌は無理です@ |
歯周病菌が蝕むのは口の中だけではありません。歯周病菌は、歯肉ポケットや気管から体内に侵入します。血管を通じて全身に運ばれ、毒素を出し、各臓器内で増殖するなどして身体に影響を及ぼします。動脈硬化を早く進行させ、血栓を作り、狭心症、心筋梗塞や脳梗塞、足や指などの血液のつまるバージャー病、冷え性などの原因にもなります。血液をドロドロにしたり酸性化したり、糖尿病などの血糖値の上昇など、口腔内の汚れが原因となることがあります。これを歯周病菌連鎖と呼びます。
歯周病菌の連鎖は、あなたの中ですでに始まっています。歯周病菌連鎖をくい止めるため、歯周病の原因菌から予防することが大切です。テレビCMのように、うがいだけで除菌し、口の中のプラーク(歯垢・細菌の塊)を壊すことは不可能です。どうすれば良いのか次回からお話します。 |
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2009.8月27日号 マイタウン多摩山手掲載 |
歯周病菌の体内侵入による例5 低体重児:オッフェンパーカー博士 |
米大学教授オッフェンバッカー博士らは、「歯周病菌は子宮に感染し得る。内毒素や他の細菌構成成分のような産生物は宿主を刺激し、プロスタグランジンE2や腫瘍壊死因子αのような早産にかかわる起炎物質の産生を高めることを示唆する証拠がある」と報告しています。博士の画期的な研究は症例を吟味した調査であり、その結果は大変エキサイティングなものでした。すなわち、母親が中等度から重度の歯周病に罹患していると、低体重児を出産しやすくなり、喫煙やアルコール摂取よりも、妊娠と出産にとって負の効果をもたらすのです。アルコール摂取、喫煙、出産前の管理、人種、出産回数、年齢などの因子を補正してみると、その確立倍数は7・5でした。中等度から重度の歯周病に罹患した母親は、低体重児を出産する危険性が健康な母親より7・5倍も高くなることを意味しています。 |
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2009.6月25日号 マイタウン多摩山手掲載 |
歯周病菌の体内侵入による例4 低体重出産 |
出産時の体重が2500以下の低体重児は、世界中で乳児死亡の主な原因となっており、低体重児出産を減少させることが乳児死亡の減少に効果的であると言えます。したがって、妊婦の歯周病と低体重児出産との関連を示すニュースに、多くの人が関心を寄せたのは当然でしょう。
アルコール摂取、喫煙、年齢、全身疾患など早期の陣痛や破水にかかわる因子は、低体重児出産の約75%に関与しています。臨床および前臨床レベルにおいて、妊婦の細菌感染は低体重児出産の因子の一つとして、研究者たちに注目されてきました。そして抗菌治療の結果、低体重児出産が減少したことにより、感染コントロールの重要性が強調されるようになったのです。言いかえれば、妊婦の歯周病と低体重児出産の関連を研究したことが、細菌感染と低体重児出産や早産との関係を調べることまで広がったのです。 |
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2009.5月28日号 マイタウン多摩山手掲載 |
歯周病菌の体内侵入による例3 日経メデイカルの編集記事より |
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「歯周疾患患者はがん発症リスクが高いという英国立大学インペリアルカレッジメンドンの研究者らのレポートが、英医学誌ランセット・オンコロジーの08年6月号に掲載された。研究では、がんの発症と歯周疾患の関連について40歳から75歳の男性約5万人を17年以上追跡調査し、その結果歯周疾患があると、ない場合に比べてがん発症リスクは増加していた。発症リスクが特に高かったのは肺がん、腎がん、膵がん、血液がんなどである」と日経メディカル別冊編集の小板橋律子さんが記事にしています。
前回までのコラムで歯周病菌は心臓、肝肺まで侵入し、様々な疾患の発症リスクを高めるとお話しました。それらを予防するためにも、歯周病の治療は重要です。診療室での治療と、毎日の生活での正しいフロスケアによる歯周ポケットの除菌管理が大事です。 |
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2009.5月14日号 マイタウンあさお・たま掲載 |
「早食い」「噛まずに飲み込む」はメタボのもと |
よく噛む食事は肥満や糖尿病防止効果が大きいです。よく噛むだけで健康、ダイエットになります。食べ方や効果を紹介します。
一口の量を少なく30回以上噛む。よく噛まなければいけない食物繊維が多い食品を摂り、柔らかい加工食品はなるべく避ける。濃い味付けは一気に唾液が出てすぐに飲み込める状態になるので、素材の味を楽しめる薄味にする。少量をよく噛み味わうと、血糖値の上昇は緩やかで、上がり始めるのが早いので満腹感を早く得られ食べ過ぎない。インシュリン分泌負担が少なく、すい臓にやさしいレベルを維持できる。食後の急激な血糖値上昇後に起こる過度の血糖値降下を防げる。食物繊維の多い食品はその作用を抑え、腹持ち良くして間食する必要がなくなる。食物繊維が多いと善玉菌も増え腸がよく動き便秘もなく、毎日快調な排便が得られ、血液もきれいになり、ガン・動脈硬化も防げる。 |
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2009.4月23日号 マイタウン多摩山手掲載 |
歯周病菌の体内侵入による例2 HIV |
歯周病菌が増殖過程で作り出す酪酸はHIVを活性化させ、感染者の発症をまねく恐れがあることを日本大学落合邦康教授(口腔細菌学)が明らかにし米国の医学系専門誌に掲載されました。白血球中の免疫細胞に潜伏しているHIVは、ヒストン脱アセチル化酵素HDACという酵素によりその増殖を抑えられています。酵素の働きが妨げられるとウイルスが活性化し発症につながるのです。一方、歯周病患者からは大量の酪酸が検出され、HDACの働きを妨げることが注目されています。HIVが潜伏する免疫細胞に酪酸を含んだ歯周病菌培養液を加ると、HIVが急激に増殖することが実験で確認されました。歯周病は25歳以上の国民の8割以上がかかっていると言われ、「HIV感染者が歯周病をきっかけに発症する恐れがあり、今後はマウス実験や疫学調査で実態を解明したい」と話しています。 |
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2009.3月26日号 マイタウン多摩山手掲載 |
歯周病菌の体内侵入による例 長野病院医師の話より |
「感染性心内膜炎の診断は難しいことを改めて認識した症例だった」。こう話すのは、国立長野病院循環器科の関年雅氏。数年前、赤十字病院で経験した、75歳の女性のケース。当初は感冒様症状や関節痛で近医で抗菌薬の治療を受けたが改善せず、膠原病も疑われステロイドも投与されていた。原因が分からないまま全身状態が不良となり、喘鳴・呼吸苦が出現。SpO2(動脈血酸素飽和度) 88%(room air)、胸部単純写真で心拡大や両側胸水が認められ自院の呼吸器科に女性は入院した。
口腔内細菌は心臓や子宮、腎臓、肝肺まで侵入、到達し繁殖し得ます。特に動物的に活動するスピロヘーター菌群は、体内を血液に乗って時速数百キロのスピードで移動し血管内皮細胞を多く損傷させ、動脈硬化を進め、高血圧の元と損傷治癒で大量な小さい血液凝固による血栓を作って体内負荷を増大しています。 |