司会　全員、女性ドクターですか、めずらしいとおもうのですが？

K　医療はおもいやりとやさしさと言う事を考える時、病院では、看護婦さん、歯科では衛生士さん。女性が接する事が多いと思うのです。技術や知識の事を考えると女性のドクターが適している。

司会　海外では歯科医者さんの女性パワーは大きいですか？

T　共産圏、マレーシアでは100%の国もあります。

M　私の大学で三○%です。

K　歯科はコワイ、イタイと言うイメージがありますが、治療は規格化が進み、麻酔や機器の進歩で、歯を抜くことや注射でも痛くない。技術も考え方も進歩してます。ホワイトファミリーは設備が良いでしょ。車でいえば、ロールスロイスの高級車です。私たちも治療し易いです。

司会　患者さんは楽でしょうネ。やさしい運転手付きですから。ドクターを紹介して頂けませんか？

T　ホワイトファミリーの院長は鎌田富紀子、鹿児島大歯科学部卒。身体の代謝と歯について詳しい。斎藤歩、神奈川歯科大卒、麻酔注射のとてもじょうずなドクター、お父さんは麻酔科の教授ですから親譲り。前田昭子、鶴見大歯科学部卒、よく勉強するドクター、お父さんは鶴見で歯科を営んでおられる。千葉玲子、慶応大文学部卒で明海大歯学部卒、医科歯科大高齢者医療研究に所属しいる、静かな先生です。西谷直子、ブラジル出身、ポルトガル語ペラペラ、医科歯科大保存科に所属して、明るく情熱家です。★平、中国北京大卒、医科歯科大保存科に所属しています。ボク以外のドクターは全員女性で、大学では最前列でノートを執っている様なタイプの女の子です。ガンバリ屋でも治療もきれいで確実なやり方をしている。マージャンにかまけて、テストの点だけ取っている要領だけの男子とは基本が違うと思います。

S　勤務中は、"ああ、私は歯医者に向いていない"と叫びたい時もあるけれど、自信が湧いてきました。(笑い)

司会　ホワイトファミリーの入り口の展示ショーケースのハブラシは凄い数ですネ。

S　堤先生が集めた、不思議なアイデア物も見ていておもしろいです。

N　一つ一つに批評が書いてあってお薦めがわかるのがいいですネ、アメリカなどでは歯科医師会の推薦マークがあって買う時の目安になるけど、日本には無いのですか？

T　ADA(アメリカデンタルアソシエート)マークの推薦品は安心して使える。日本はJIS工業規格はあっても、専門機関のチェックはなくて、メーカーは野放し。今年PL(製造者責任制度)が保留になったけど、ブラシやハミガキも十年二十年と使う物でしょ、××メーカーのを使っていたらこんなになったって訴える人がいてもおかしくない。海外に行くと、ドラッグスーパーストアーで両手一杯買い込むのです。ホテルの部屋がハブラシで一杯になって。(笑い)同室のドクターも集めてくれます。二個ずつ買って、一個を試して見るのが大変！分類したのが、あのコレクションなんです。

K　どこの国のブラシが良かったと感じましたか？

T　アメリカ、ドイツ、スイスかな。健康や規律に対する国民性が現れている。アメリカは多国籍集合体。各国の良い所が現れ、斬新でアイデア物が多いけど、よく壊れ、安物が多い。ドイツはアメリカを改良して良い。スイスは中間。フランス、イタリアは趣味のデザインで、機能は後回しです。

K　十年で、歯ブラシに対する考え方が、一八○度変わったでしょう？硬めのハブラシを薦めていたのがどんどん柔らかくなって。

M　日本のメーカーは普通の硬さと、硬めのがよく売れるので、ストアーでは柔らかめを探すのが、たいへん。

T　ムシ歯を克服した国は増えているけど、日本はまだです。高齢化が進んだ国の問題は、やはり知覚過敏(冷たいのがしみる状態)と、磨きすぎの歯の摩耗です。それまでの人生での、磨き方が強すぎた結果です。次の原因はブラシの硬さと、ハミガキの中の研磨剤です。

N　日本でも、知覚過敏や歯の根元が削れた患者さんが多い。やはり磨き方が変わらなければどんなに道具を替えても、結果は同じでしょう。

T　良い物を作っているメーカーは多いです。コルゲート社の新製品は素晴らしい。ハブラシもハミガキも良い。バトラーも、種類豊富さでは良いのですが、基本は押さえてもらいたい。買う時に種類が多くて迷うでしょ。

M　使い方次第で同じですもの。よく患者さんが"どんなハブラシ、ハミガキが良いですか"と聞きますが、道具や何かを替えれば良くなると錯覚している。メーカーもそれが狙い目なのでしょ？ 10年後がコワイ。

K　ボールやゴルフセットを替えれば、旨くなるかしら？やはり、基本は練習、自己流では駄目。皆さんは自己流を自覚していない。適当でもよごれは取れ、においも防げるという感じで、ムシ歯にならなければ1回も歯科医院に来ない人もいる。(笑い)

T　五十才ぐらいになって削れて、根元のムシ歯と歯周病でボロボロと歯が抜けて行く。俺は大丈夫と自信がある人や、そこそこ手入れをちゃんとしている人でも必ずなります。

K　問題は自覚が無いこと。ゴルフで言えば、自己流でシングルみたいな人ですからネ。いきなりプロから"基本が駄目です。そのままだとスコアーが落ちます"と言われても、落ちてみないと自覚しませんもの。

N　自覚した時は人生の折り返し地点で今まで何して来たのかなといっても、手遅れ。

M　悲しいですネ、人生の縮図みたい。

T　お母さんが幼児期に食べた後の始末、手入れをしつけて欲しい。小学校の低学年で基礎を覚え、テクニックは五年生までにマスターしてもらいたいです。日本のメーカーで、サンスターはGUMシリーズが良いです。ライオンは良い製品もあるのに、機能的にハズレな物が多くなって残念。花王は、毛先が球とか、つぶ塩とか、堂々と宣伝されると、そうかな？て思ってしまうから、罪は重い。リーチは、もっと毛の柔らかいのを出して欲しい。世界はすでにウルトラソフトのハブラシの時代です。

K　柔らかいハブラシも使い方が正しいと、六カ月以上使えて毛先が開かない。柔らかいと毛先が開き易いでしょ。それが、磨き方のバロメーターになる。開いて来るようだと要注意。磨き方を習った方が良いです。 おすすめの歯ブラシはこれ！

T　ブラシの毛先の部分が小さいのも問題、磨くのに時間ばかりかかる。お薦めはサンスターGUMの柔らかめ、コルゲートプラス、PHB、小学低学年以下はコルゲートジュニア、PHBプティ、プロスペックチャイルド。なにしろ柔らかい物が良い。硬いのに慣れてしまう事が後々問題を大きくしている。お母さん、ゴシゴシ力を入れてお子さんの口磨かないで下さい。まず、お母さんから磨き方を覚えてもらいたいです。

K　ハブラシではどんなに時間をかけて丁寧に磨いても、五○%ぐらいしか磨けない。つまり磨いても残り五○%からムシ歯や歯周病になる。"磨いてもムシ歯になる"という本があったけど、後が大切なの。お部屋の掃除と同じ。散らかしほうだいで、掃除機をかけてもきれいにホコリは取れない。まず片付けて掃除機。床を大きい口で吸い取る。そこまでがハブラシで磨いたのと同じです。

司会　それでは部屋の隅はホコリだらけですネ。ふつう机やベッドの下などは吸い口を小さいのに替えてやりますネ。ハブラシだけだと、そこはホコリだらけと言う事ですか。

T　口の中で見える所は普通、エナメル質で覆われています。歯の根元の周囲は歯肉の中に入り込んだ深さ2mmの溝が走っている。歯肉と歯の境の中を、歯周ポケットと言う。その中も軽く掃き出して掃除が必要なのです。二十五才になったら、毎日ポケットの中のバイキンも掃きだして掃除して置かなければ、歯周病になります。十年さぼると、2mm近く骨が溶け吸収され、歯肉が下がり、根面が露出して来ます。根面はエナメルに覆われていないので、ハブラシで摩耗し、虫歯になる。

M　ハブラシだけで歯の根元や歯と歯の間を磨くのは無理があると思うわ。歯ブラシはほんのお片付け程度の掃除しか出来ない事を自覚してもらいたいです。毎食後するお片付けブラシだけでも、食べカス、栄養分を流す意味はあるワ。夜寝る前はしっかり歯ブラシの後、仕上げに歯の間を糸ようじと、歯間ブラシを使ってもらいたいです。

T　歯間ブラシや糸ようじも使い方が難しいので、確実に使える様になるまで、習ってもらいたいです。この道具も正しい物を選ばないと、十年後に後悔する。

司会　今日はありがとうございました。これをチャンスに定期的に歯科医院に通い、そうじと歯ブラシ指導を受け、歯周病やムシ歯とさようならの人生を送りたいと、つくづく感じました。

6月4日から歯の衛生週間です。歯科医師会でも各地の歯科センターや保健所で、無料検診やブラッシング指導を行います。また、かかりつけのホームドクターで、お口の掃除と、磨き方の指導を受けましょう。この機会にぜひ参加なさる事をお勧めします。

司会)今日は、前回と同じく、ホワイトファミリーの先生方にお集まり頂きありがとうございます。 8月にホワイトファミリーに新しい診療所がオープンします。院長となる鎌田富紀子先生にお話しを伺います。

鎌田)場所は新百合南口のあさひ銀行の横、JTBのビル3Fです。院内システムの設計はヒューマンテックに企画して頂きました。ホワイトファミリーの機械ユニットや映像システムは堤一樹先生の考案です。 　すでに5年前からつつみ歯科に設置されているシステムの改良型で、マルチスキャン画面でコンピュータとビデオを使用した治療説明や、ハブラシ指導、治療計画作成を。またレントゲンは現像処理なしで、被爆量は従来の5分の1、画面上で映像処理して診る事が出来ます。(中略)

司会)株式会社ヒューマンテックは設立5周年となります。百合ヶ丘のつつみ歯科の故堤敏郎先生が設立して、現在は堤一樹先生が代表ですが、ホワイトファミリーが医療法人社団ホワイトファミリー会となることで、歯科技工士である本間勝則氏が代表取締役を引き継ぐ事になりました。宜しくお願い致します。 本間)『医療はサービスである』を理念に、各種の事業を行ってまいりました。 本体は歯科技工を行い、ヒューマンアート技工所の5名の技工士が皆様のサポートを行い、セラミックワークやチタニウム床義歯を制作しております。常に最先端技術の確立に心掛け、セラミックインレー充填、薄く張り合わせるセラミックベニア法などを設立時より行っております。最近では、さらにキャスタブルなセラミックを研究しており、来年度には採用出来る予定でございます。他の事業については堤先生にお願いします。

堤)ヒューマンテックは技工だけではなく、歯科診療に役立つ色々なシステムを開発して参りました。大きく別けて機器システムとサービスシステムがありますが、サービスシステムとしては、年中無休で午前9時から午後9時まで、こういうことは歯科では無かった訳です。スタッフの管理や患者様の予約管理など、機能的問題の無い治療管理を心掛け、常に改良が続けられています。深夜等の痛みの治療に対して24時間の電話受付も行っております。 　診察室の図書、ビデオはすべ貸出しており、ハブラシ、ハミガキの世界コレクションをディスプレーしております。歯ブラシ指導においてビデオによる説明と、独自の処方で効果をあげております。基本はスウエーデンカルスタッド予防歯科センターのアクセルソン博士のコンセプトです。また、南カリフォルニア大学歯学部、UCLA、ルイジアナ州立大学歯学部の卒後セミナーに基づいたレーザー治療、歯内治療をマニュアル化しております。(中略)

本間)患者様を、私どもはお客様と考えております。ドアを開けて来院されるのを待つのでは無く、積極的に私どもから外に出て行って、患者様わかりやすいサービスを提供する。これは、らぶりぃあさおなどの地域新聞や、生活クラブの奥様たちとのミーティング、川崎市生涯学習事業への参加、自然環境問題へのボランティア活動を通じて、わかりやすく歯科を理解して頂き、もっと親しみ易い医療であるように心掛けております。気軽に検診や歯のお掃除を受けて頂き、予防を心掛けることでムダな治療をしないでよい、健康的な人生がわたしどもの理想です。 堤)機器システムでは、往診車デンタルシャトルを造り、寝たきり老人や企業検診治療など往診に。携帯治療器具も保土ヶ谷の田村肇先生の協力でコンパクトな物をベッドサイド治療に活用しております。また特許出願もすでに8件、無痛注射針、歯科患者状態監視装置、ハミガキガム、感染防止プロテクターなど、すでに特許番号を取得しているものもあります。歯科の診療台については、バーウオールシステムと言う、タカラベルモント社製の最上機種に独自のテーブルを組み込み、新たに厚生省の認定を受けて、歯科医療管理学会の国本朝雄先生の高度高速理論に近いユニットを作り、清潔で、安全でしかも開放的な診療スペースを提供しております。

本間)今後もヒューマンテックは皆様の健康に役立つ開発を通じて、ホワイトファミリー会をサポートしていく事をお約束致します。本日はありがとうございました。

あなたの歯と健康を守る10カ条 −8020（80歳で20本を）達成のための提案−

1） 全身の健康管理に気を配る。

2） 1日30種類以上の食品を、1口30回以上噛む。

3） 野菜や歯ごたえのあるものをできるだけ食べる。

4） 清涼飲料は避け、飲料に砂糖を入れない。

5） 食品は薄味で、インスタント食品は避ける。

6） 食後は必ず口の中の食べカスを除く。

7） 歯の清掃は歯ブラシだけでなく、歯間用の糸ようじや歯間ブラシを使う。

8） 6か月毎に少なくとも3回以上は歯ブラシ指導を受ける。

9） 30歳から定期的に検診と歯石掃除を受ける。

10） 不安を感じたら症状が無くてもまず受診する。

庄司文明（農文協より）　堤一樹、一部改案