White Family dental-site

 

すくすく育て!元気な歯!

 
-MyTownらぶりぃあさお掲載記事より-
1995年6月15日号

PART4:

6月4日から歯の衛生週間でした。  半年に一度、歯の定期検診を受けることはとても大切なことです。  そこで、ホワイトファミリー歯科のスタッフにお集まりいただき、歯と健康について、患者さんの質問にお答えいただきました。

増える子供の歯周病!歯のはえ変わり期を大切に

今回は患者さんからの質問にお答えするため、スタッフ全員で、レポートをまとめてみました。データーは94年度を参考にしてあります。  最近、日本は経済も不調、政治も不作と、精神にも歯にも良くない。社会全体が行き先を見失った船のようで、ハルマゲドンを信じたりしそうで…。やはり、こういう、不確定な時は「自分を磨く?」に限ります。『健康な肉体に、健康な魂が宿る』ではないですが、今信じられるのは、自分の肉体だけでしょう。不測の事態でも生き残り、サバイバルするためにも、自己管理を正しく行う事です。ムシ歯は万病の元。歯を失うとアゴとからだに響きます。  ほとんどの先進国ではムシ歯も歯周病も激減しているのです。なのに日本では、あまり変化していない。10年から20年分ぐらい引き離されています。悔しいですネ。  日本の歯周病は、10代で5割、30代で8割。学童期の歯の交換期、つまり小学生の頃に正しい手入れの考え方とテクニックの指導を何回か受けて、高学年までにマスターして貰いたいのです。思春期は特有の口腔衛生の低下があり、学童期の素直な吸収力の時期に基礎を仕込んでおければ、まずは安心できます。最近は子供たちの歯周病が増え、6年前と比べても、5ポイント上昇しています。40歳以降の歯の喪失の90%が歯周病です。喫煙やCa不足、間食が主な原因です。

1.電動歯ブラシは良いですか?

電動歯ブラシの性能もかなり改善されてきています。数年前は、バス法/ローリング法の動きをする電動ブラシが多く、磨き方によっては、ブラシ自体の動きが強く、縦や横みがきになりがちでした。強く歯の表面や歯肉との境目などにあてたりしてしまうと、歯肉を傷つけたり、歯の表面を削ったりしてしまうということが起きてくるのです。また動きが大きく、毛先の位置がきっちりと固定できないため、細かなくぼんだ所の汚れが残ってしまうことも指摘されました。  最近の商品は、電動歯ブラシは回転ブラシが着くようになり、また微振動型や軟毛替ブラシも増え、歯や歯肉にダメージを与える危険が減りました。ブラシの位置決めさえ確実ならば、かなりくぼんだ溝の中もきれいになります。うまく使いこなすことができれば、おおいに電動歯ブラシを使用していただきたいと思います。  また、歯の手入れは歯の見える所ばかりでなく歯の間や根元もきれいにしなければ磨き残しになります。歯の間の手入れは特に大切なので、その手入れも含めて手で行っていると1回の手入れが5〜10分もかかつてしまいます。1日に3〜4回の手入れをしなければならないのですから、無駄な時間をかけるより、まず最初は歯の表面など、電動の能率の良いものを使い、次に歯の間の手入れしづらい所に重点的に時間をかけてください。糸ヨウジ(フロス)、歯間ブラシで手入れを行うことが歯周病や、接触点カリエス(歯間部ムシ歯)、根面カリエス(歯肉側根、ポケット内ムシ歯)を予防する効果を上げます。  ですから、電動歯ブラシを使用する前にまず、普通の手用歯ブラシでの歯磨きをマスターしてからの方が良いでしょう。電動歯ブラシも使い始めて1ヶ月もすれば、手用歯ブラシで磨くよりもはるかに汚れの除去効果は良くなり、時間の短縮ができるでしょう。ただし位置づけをきちんと行わないと汚れは落とせません。頼り過ぎも困ります。いくら電動歯ブラシを使用していても、いいかげんに磨いていれば汚れは落とすことはできません。電動ブラシと言えども、歯の間は絶対に届かないのです。  当医院では独自の理論と実践に基づいたものをお薦めします。 加齢と共に増加する歯周病

2.ポケットって何ですか?

歯と歯肉との間の溝のことです。歯の根元が歯肉と結合して、バイキンが身体の中に入らないようになっています。結合(上皮結合)は見せかけの歯肉より2ぐらい内側に入り込んでいます。歯磨きがきちんとできていて、歯肉が健康な状態にある時は、その溝の深さも1位から2位なのですが、うまく汚れを落とすことができず、汚れ(歯垢)がたまっていると、だんだん溝も深くなり(上皮結合もこわれバイキンが侵入して)ひどい所では10位にもなるのです。そこまでいってしまうと溝の中の汚れを自分の力で洗い(自浄力)切れなくなってしまうのです。3以上の深いポケットから病的です。  歯肉炎や歯槽膿漏を予防するには、その歯と歯肉の境目の汚れを残さないことが大切になってきます。汚れが残っていることにより、酸素に触れると生きていけない悪性バイ菌などは、どんどん逃げ込んでしまい、その溝の中で増えていくのです。そのため歯肉に炎症を起こし、ポケットといわれる溝がつくられていくのです。歯磨きをする時はしっかり毛先をポケットの中に入れて、そうじするように心がけて下さい。(毛先の圧力をコントロールして位置ぎめをしっかりして下さい)  小さく微振動させるためにも歯肉を守るためにも、できるだけ、軟らかい毛束で、丸み加工の歯ブラシが良いです。軽く持って手首の動きで磨き、軽い圧力で毛先がくぼみに届くことが基本です。  やはり、優れたインストラクターについて、適切な指導を受けないと、マスターできません。ゴルフやテニスの練習と同じで、何回ものトレーニングが必要ですが、習得できれば、結局、あなたの徳となります。 10年後を考えたら、ハブラシは柔らか目

3.やわらかめの歯ブラシは歯ごたえがないのですが?

今までにどのような硬さの歯ブラシをご使用になっていましたか?たしかに硬めの歯ブラシというのはなかなか歯ごたえがあり、きっちり磨いたという錯覚をあたえやすいものなのです。  しかし、硬めの歯ブラシというのは歯ブラシの一本一本の毛が柔らかめのものと比べ、太くできているのです。そのため細かな隙間や、溝にはなかなか入っていかないのです。また、歯ごたえのあるくらい強くゴシゴシといわせながら歯磨きを続けていたら、いくら硬い歯でも削れてしまいます。それに加え、研磨剤の入った練りハミガキをつけて磨いたら、毎日やすりで歯をこすっているようなものなのです。特に歯と歯肉の境目においては削れやすいですから、それにともない歯肉もどんどん退縮していくこともあります。審美的に見てもあまりいいものではありませんし、エナメルを削ってしまうのですから虫歯になりやすくなってしまったり、削れただけ外からの刺激が歯の神経に伝わりやすくなり、温かいものや冷たいもので歯がしみるということにもなります。  はっきりいいまして硬めのハブラシは使用しない方がよいでしょう。1ヶ月で毛先が開いてしまった歯ブラシは交換できても、削れた自分の歯は取り替えられないのです。  ブラシの硬さのめやすは腕の内側とか首筋など弱い皮膚を歯磨きするようにゴシゴシこすっても、赤くなったり、痛かったりしないぐらいの柔らかさが理想です。毎日何回も何十年と続けてこするのですから、柔らかめの歯ブラシをすすめます。  硬めの歯ブラシを使っていた人には、歯ごたえがなく磨いた感じがしないかもしれません。でも、柔らかめの歯ブラシでゴシゴシと力を入れて強く磨いてしまったら硬めの歯ブラシを使って磨いていることと同じになってしまいます。柔らかめということは一本一本の毛が細くできているのです。ということは細かな隙間や溝にもそれだけ入っていきやすく汚れを落とすことができるということなのです。もちろん毛先がしっかりと歯面にあたっていなければ汚れは落とせません。しっかりと溝や隙間にブラシの毛先を入れて、毛先の弾力の範囲で小さく動かすようにすれば、きれいに汚れは落とせるのです。なるべく圧力を入れ過ぎないように心がけて下さい。力が入ると手首の関節が硬くなり肘で磨くので動きも大きくなります。ゴシゴシの力を抜くと手首で磨けてるので小さく軽く動かせます。

あなたの歯と健康を守る10カ条 −8020(80歳で20本を)達成のための提案−

1) 全身の健康管理に気を配る。

2) 1日30種類以上の食品を、1口30回以上噛む。

3) 野菜や歯ごたえのあるものをできるだけ食べる。

4) 清涼飲料は避け、飲料に砂糖を入れない。

5) 食品は薄味で、インスタント食品は避ける。

6) 食後は必ず口の中の食べカスを除く。

7) 歯の清掃は歯ブラシだけでなく、歯間用の糸ようじや歯間ブラシを使う。

8) 6か月毎に少なくとも3回以上は歯ブラシ指導を受ける。

9) 30歳から定期的に検診と歯石掃除を受ける。

10) 不安を感じたら症状が無くてもまず受診する。

庄司文明(農文協より) 堤一樹、一部改案