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天然と同じ働きの歯再生 マウス幹細胞から成功 
理科大、移植し機能も確認


 マウスの幹細胞から作った歯のもとになる「種(たね)」を、完成された歯になるまで育ててから口内に移植し、かんだり痛みを伝えたりといった天然の歯と同じ働きを持たせることに、東京理科大の辻孝(つじ・たかし)教授(再生医工学)と大島正充(おおしま・まさみつ)助教らのチームが成功した。米科学誌プロスワンに12日発表した。

 人への応用に課題は残るが、チームは「新しい歯科再生治療の考え方を示せた」としている。

 チームは、マウスの胎児にあり、歯のもとになる「歯胚(しはい)」に含まれる上皮細胞と間葉細胞を集めて作った歯の種を、マウスの腎臓に移植。

 50日後には、物がかめる程度の硬さがある再生歯と、歯を支えるあごの「歯槽骨(しそうこつ)」、その間でクッションのように働く「歯根膜(しこんまく)」を含んだ塊に育った。1本だけでなく、4本の歯から成る塊を作ることもできた。

 これを取り出し、マウスの歯を抜いた部分に移植すると、再生された歯槽骨が次第に周囲の骨と一体化。歯と歯根膜、歯槽骨が固定された上、血管や神経も周囲から入り込み、移植した歯に加えた刺激が脳に伝わるようになった。

 人に応用するには、種の材料となる細胞を胎児以外から調達する方法や、体に負担をかけない培養の仕方、移植できる程度に育つ期間の短縮方法を、さらに研究する必要があるとしている。

  チームには東北大、東京医科歯科大、オーガンテクノロジーズ社(東京)も参加した。

2011.07.13  提供:共同通信社