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歯で美人力をあげる!

歯で美人力をあげる!スキンケア情報に
敏感な女性なら、
まずめざしてほしいのが、
口の中の健康です。

美しさを支える口の働きは
大きく、
どんなメイクでも
補うことはできません。

昭和大学歯周病学教室の
小出容子先生に
美人力を上げる口や歯の役割を
お聞きしました。



美人力のポイントは
口元の筋力にあり


少し突き出した上唇、キユッと上がった口角、うっすら歯がのぞく半開きの口元。可愛らしさをアピールする女性アイドルの「アヒル口」が人気ですが、一般の若い世代にも、いつも口が半開きの人が増えていると言われます。気になるのは、笑っていないときも口が少し開いていること。「ポカン口」とも言われ、最近の子どもたちにも多く見られます。

小出容子先生が原因の一つと考えるのが、若者に多い食習慣。「やわらかい食べ物を好むために咀嚼力が鍛えられず、閉じた唇をキープする口輪筋(唇のまわりの筋肉)が弱まっているのでは?」とのことです。

笑ったときにパッと白い歯が見えるのは理想の美人像ですが、「いつも口が開いた状態」は、まったく望ましいことではありません。

開いた口は口呼吸になりやすく、口の中が乾いて細菌が増えやすくなります。むし歯や歯周病をはじめ、全身に関わる病気のウイルスにも感染しやすくなるのです。

「特に女性に切実なのは、口元の筋肉が弱まることですぐ顔全体の表情筋もたるむこと。頬や目のまわりの筋肉も下へと引っ張られ、ほうれい線や二重あごの原因にもなるんですよ。

逆に一言うと、噛む力をつければ口輪筋、表情筋が引き締まり、たるみやシワを防ぐことにつながります。

また、若者に多い不明瞭な発音や、語尾がだらしない話し方も、おそらく口元の筋力低下と関係があるでしょう。きちんとしたコミュニケーションも、美しさの条件。あらゆる面で口元の筋力は重要なのです。

唇を閉じるか、開くか。ささいなことに思えますが、長年続けていれば、健康にも美しさにも大きな差が出てきます。普段からしっかり口を閉じる習慣をつけてください」。

歯医者いらずのキレイな歯。
でも20年後は・・・?


小出先生の専門は歯周病で、現在、妊婦の口腔状態を調査しています。その大半はまだ40代以下、健康に関心の高い女性が多いのに、口の中にまったく問題がない人はほとんどいないことに驚いたそうです。

そして興味深いことに、初めて妊娠した人とすでに子どものいる人を比べると、子どものいる人の方が歯の健康状態は良いとわかりました。

「当初は、子どものいない若い女性の方が歯は健康だろう、育児中の母親は忙しくてケアが行き届かず、歯の状態も良くないかな?と予想しましたが、実際は逆だったんです」。

母親になると、子どもに歯磨きを教えることで歯の健康の大切さを理解するため、自分の口腔ケアにも熱心になる傾向があるようです。

つまり、歯の健康状態は年齢や体質よりも、その人の意識の持ち方で、 良くも悪くもなるもの。たとえば歯周病は中高年の病気と思われがちですが、若い頃から予防意識があれば、20年先の口の中の健康状態が大きく変わります。

歯周病は歯を失う主な原因で、糖尿病など多くの病気を悪化させることもわかってきました。もう一つ、忘れてはいけないのが、歯を失えば口元まわりの土台も失うということです。物
理的にシワやたるみが進み、一気に老け顔になるのは避けられません。「そこで初めて、歯が顔の若々しさを支えていたと気づく患者さんも多いですね。歯周病は見た目の美しさにとっても大敵なんです」。

先生によると、一見するとキレイな歯でも、外から見えない歯肉の中に歯石がたまっていたり、20代でも歯周病始まっている人は多いとか。痛みや自覚症状がないので自分で気づくのは難しく、完壁に磨いているつもりでも、セルフケアには限界があります。唯一できる確かな方法が、定期的に歯科に通うことです。

先生の実感としては、かなり悪化してから来院する患者さんには、昔からむし歯がなく、歯科に通った習慣のない人が多いのだそう。「自分は歯が丈夫!」と過信しているほど、歯周病の危険は高まるのです。

歯で美人力をあげる!ヘアサロンへ行くように歯科医院へ。
美人の法則


多くの患者さんと接する小出先生の心配は、かかりつけの歯科医院を持たず、診療先をすぐに変える人が多いこと。歯の治療は長年の経緯や体質、ケア習慣などを総合して診療する必要があります。

「歯石のたまり方、むし歯のなりやすさ、歯周ポケットの深さには個人差あり、長期的に診療することで傾向も見えてきます。1回きりで歯科医を変えてしまうと、患者さんにとっても損だと思いますよ」。

歯の健康を本当に考えるなら、自分の口がどういう状態か、どんな特徴があるかを知ることも大切。特に最近はあごが小さく歯並びの悪い人が増えており、どこに磨き残しが多いか、どうブラシを動かせば良いかなど、歯の状態に合ったプロの指導は昔以上に必になっています。

口のことを気軽に相談できる歯科医がいれば、歯周病も初期に気づくことができ、歯を失うほどの悪化も防ぐことができるでしょう。「ポカン口」などもひどくなる前に対策が立てられ長年の習慣になるのを避けられるはずです。

「お肌のことはエステに、髪のことは美容院に相談するように、日常的に口の状態をチェックするために、歯科医院を活用してほしい」というのが先生からのメッセージです。

健康な口を守ることは、美しさや若々しさをめざす近道。であれば、かかりつけの歯科医院の存在は、自分の美人力を磨くための強力なブレーンとも言えるでしょう。そんな気持ちで歯科医院を選び、長いお付き合いができるよう、私たちの意識も変えていく必要がありそうです。

2013年5月20日 提供:歯学博士 日本歯周病学会専門医 小出容子先生