唾液検査とは・・・
個人のカリエスリスク(う蝕のなりやすさ)を判定する検査です。
健康の未来を予測する事もできるのです。
唾液検査から得られるもの
① 唾液検査は目に見えない虫歯の原因を調べることができます。
② 検査結果を元に一人ひとりのお口の環境に応じた予防法を立てることができます。
③ 唾液検査を体験することで自分のオーラルリスクを知り、オーラルケアのモチベーションを
高めることができます。 |
なぜ検査をしなければいけないか
日本人は96%の人が1日1回磨いて
いるのに80%以上の人が虫歯がある
なぜかというと 目に見えないカリエスリスク(細菌の繁殖能力、接着能力・唾液性能の衰えや量の減少、生活習慣による免疫力低下)があるからです。
それは唾液検査によってわかるのです。
目に見える、見えない両方の検査をすることが重要!!
(目に見えるのは う蝕経験数 プラークの量 で口腔内診査でわかる) |
目に見えない細菌のプラーク形成能力(接着力)、
酸産生能力・唾液の緩衝能力、抗菌能力、唾液成分
人の理解力とは
聞くだけ 20%
聞いて見る 50%
聞いてみて 実際にやってみる 90% 検査で実際に行って見てもらうのが効果的!
オーラルケアトリートメントを受ける前後での比較で効果が実感できるのです。
唾液の成分
無機成分 リン カルシウム
酵素 アミラーゼ
抗菌物質 ラクトフェリン
たんぱく質
唾液中のホルモン:パロチン
上皮系細胞の活性化で・皮膚、気管、肺、胃腸、大腸、肛門までの粘膜、目、脳せき髄神経の若さを保つ、
パロチン錠は白内障の治療薬。
etc…
細菌
口腔内細菌は400種類前後で9割は無害 害があるのは1割
しかし、それらの細菌群は相互に協力し合って、プラークコロニーを形成します。
唾液1mL中に7~8億個の細菌がいる
唾液の種類
漿液性唾液 (刺激時唾液)
* 主に耳下腺から分泌 約40~50%
* 洗浄作用に優れている
粘液性唾液 (安静時唾液)
* 主に顎下腺から分泌 約65%
* 粘膜保護 (成分 ムチンの働き)
唾液の効果
赤ちゃんで唾液が多く、よだれが出るのは、とても健康な証拠、その唾液の出が少なくなっているとすると…。
唾液とは口の中の腺より分泌される液体の集合体です。唾液腺は左右対称で、耳下腺・顎下腺・言下腺の3大唾液腺とその他の小唾液腺から分泌されます。一日に1~1.5リットル分泌されています。その成分は、ナトリウム・カリウム・無機リンなどの無機成分やムチン・スタテリンなどの蛋白質、アミラーゼ・リゾチームなどの酸素、ラクトフェリン・ラクトペルオキシダーゼなどの抗菌成分です。
唾液の作用としては、次のようなものがあります。
1)消化作用
2)自浄作用
3)緩衝作用
4)抗菌作用
5)抗溶解作用
6)保護作用
7)上皮系細胞の活性化
噛む運動や、刺激物が口の中に入って、分泌量が増えてきます。コレを反射唾液といいます。絶えず口の中を流れ、口の中を清潔に保つ、抗菌作用。粘膜を洗う自浄作用は重要です。絶えず出ているのは固有唾液といいます。出るのは、とても、健康な証拠、その唾液の出が少なくなっています。
どんな影響で少なくなってるのでしょう?分泌される過程では自律神経の影響を受けます。神経の作用によって分泌量や、性質も変わり、交感神経が刺激されると、粘っこい唾液が、副交感神経が働くとサラサラな唾液が出ます。
緊張したり、イライラしたり、興奮したり、それは、交換神経過敏といわれるような、強い状態でなくても起こります。一人、淋しく、ご飯を食べたりしても分泌は減ります。また水分摂取不足や、汗をかいたり脱水状態では出なくなります。
歳をとると、他の分泌と同じく減ってきます。老人や閉経後の女性は口腔内乾燥を起こります。耳鼻科の病気で、鼻水や、くしゃみなどアレルギー症状を抑えるお薬は分泌を抑制します。唾液腺機能は他の全身的病気の作用で衰えたり、その部位の放射線治療でも影響を受けます。唾液分泌の大元は体液としての血液です。自覚していない方が、ほとんどですが、喫煙習慣のある方、精神的ストレスを感じている方は血液はドロドロになり血球成分がくっ付き、体の細い血管では、流れが悪くなったり、詰ったりを繰り返しています。もちろん、血液は酸性化しています。
こういう方のお口のPHをリトマスで測ってみると、驚くことに100%歯が溶ける臨界PHの5.5度よりも、酸性の状態です。お口の汚れで虫歯にもなり、歯周病も進みます。 |
唾液の役割
* 消化作用 唾液中のアミラーゼの働きにより、でんぷんを麦芽糖までに分解し消化する。
* 潤滑作用 唾液中のムチン等の粘液成分によって咀嚼を円滑にし、嚥下を助ける
* 溶解作用 豊富な水分により、固形の糖や塩分を溶解し、消化や嚥下を助け、味覚物質の味蕾への到達を容易にする
* 歯の保護作用 唾液のたんぱく質や糖たんぱく質は歯の表面ペリクルとして吸着し歯を被覆、保護する。* 抗菌作用 リゾチーム・免疫グロブリン(IgA)ラクトフェリン等の働きによって微生物の働きを抑制したり、殺菌したりする作用がある。
* 希釈・洗浄作用 薄め洗い流す。 唾液分泌量が少ないと口の中が不潔になりやすい
* 緩衝作用 酸を中和する重炭酸イオン(耳下腺から出る)等の働きによって酸性に傾いた口腔内を中和する働き
* 再石灰化作用 歯を修復する働き 永久歯はPh5.5~5.7で溶け出すが乳歯や歯根面は5.7~6.2で溶け出す。
*上皮組織活性化と神経賦活力:唾液に含まれるパロチンホルモン成分による上皮系(皮膚・粘膜)組織の若返り、白内障予防・粘膜「気管、胃腸」上皮 の活性化と神経賦活力と神経再生
唾液分泌量
15歳以上 1~3ml/min
11~14歳 0.7ml/min
10歳以下 0.5ml/min
唾液分泌量に影響を及ぼす因子
・唾液腺に障害がある場合(シェーグレン症候群など)
・神経に障害がある場合(自律神経失調症など)
・薬剤の副作用(口渇作用のあるもの 40種類以上あり)
・時間(日内変動あり 午前中に検査するとよい)
・咀嚼不全 (かみ合わせを直すだけで唾液量が増える)
・季節 (夏<冬)
・ホルモン (女性ホルモン 閉経期注意 月経時唾液多い)
・環境 (緊張 ストレス 刺激)
・体調
☆ ウ窩とウ蝕は違う
う窩・・穴が空いている状態
う蝕・・脱灰と再石灰化を繰り返している、う蝕は治る。
唾液検査の 秘密
唾液検査から得られる情報は
* ミュータンス連鎖球菌 (う蝕原生細菌)
* ラクトバチラス菌 (乳酸菌) (う蝕原生細菌)
* 口腔カンジタ菌
* 唾液緩衝能
* 唾液分泌量
う蝕原生細菌とは
・ 強い酸を産生する
・ 酸性環境に強い抵抗性を示す
(他の口腔内細菌に比べう蝕を作り出す力に優れている)
Dentocult SM
* 唾液 プラーク中のミュータンス連鎖球菌の測定
* 感染レベルを知る
バイオフィルムとは・・
細菌集団同士が粘液産生してエキストラン多糖のネバネバ粘液を介しその中でコロニーで集団共存、共栄しているもので、細菌の生き残り方の1つと考えられています。強い接着性があり歯の面に付着して、磨いても残存します。
ミュータンス連鎖球菌(通性嫌気性グラム陽性球菌)
・う蝕のきっかけとなる菌 ― 脱灰の初期に重要な役割を果たす
・歯など(義歯、クラスプ含む)の硬い面に付着する。
・唾液を通じて感染する (母子感染=子育て感染)
☆日本人女性のミュータンス菌保有数 世界一 |