東京電力福島第1原発事故で、3月21日から4月30日までに海に流出した放射性物質の量は1万5千テラベクレル(テラは1兆)に達するとの試算を日本原子力研究開発機構などのグループが8日までにまとめた。
東電は4月1〜6日に2号機取水口付近から海に流出した高濃度汚染水に含まれる放射性物質(ヨウ素とセシウム)を4700テラベクレルと発表していた。もとになる期間が異なるが、今回の試算は約3倍に上り、原子力機構の小林卓也(こばやし・たくや)研究副主幹は「ほかのルートからも放射性物質が流れ出ていた可能性を示すものだ」と指摘している。
グループは4月1〜5日に第1原発周辺の海で実施したモニタリングの実測値が、2号機取水口付近からの高濃度汚染水によるものと仮定。その上で、3月21日〜4月30日の海洋モニタリングの実測値をもとに、この期間に第1原発からどれだけの放射性物質が海に流れ出たか試算した。
19日から北九州市で開かれる日本原子力学会で発表する。