東京電力は9日、福島第1原発の放射線量が事故当時に比べて低下したことから、屋内で女性従業員の勤務を開始すると経済産業省原子力安全・保安院に報告した。保安院は同日、了承した。
東電によると、昨年3月の事故直後、免震重要棟1階の線量は毎時47マイクロシーベルトだったが、同11月には7・2マイクロシーベルトに低下。女性の線量限度は3カ月で5ミリシーベルト(5千マイクロシーベルト)と男性に比べて低く定められているが、1日8時間、1カ月で20日働いた場合、3カ月で5ミリシーベルトの上限を守れるとしている。東電は、3カ月で4ミリシーベルトを目安に管理する。
女性が勤務するのは第1原発の免震重要棟や医務室、休憩室などで、事務作業に当たる。実際に勤務を開始するにはトイレや更衣室などの整備が必要なため、開始時期は決まっていない。対象の30人程度から同意を得た上で従事させる。
第1原発で勤務していた女性の被ばくをめぐっては、昨年の事故直後に50代の女性社員が17・55ミリシーベルト被ばく。40代の社員も上限を超える7・49ミリシーベルト被ばくしたことから、東電は昨年3月23日から女性を全員退避させていた。