東京電力福島第1原発事故による放射線の影響を調べている福島県の県民健康管理調査で、18歳以下で甲状腺がんの診断が「確定」した人が9人増え12人に、「がんの疑い」は15人になったことが4日、関係者への取材で分かった。
これまで1次検査の結果が確定した約17万4千人の内訳。5日に福島市で開く検討委員会で報告される。検討委の2月までの調査報告では、がん確定は3人、疑いは7人だった。
これまで調査主体の福島県立医大は、チェルノブイリ原発事故によるがんが見つかったのが、事故の4〜5年後以降だったとして「放射線の影響は考えられない」と説明している。
甲状腺検査は、震災当時18歳以下の人約36万人が対象。1次検査でしこりの大きさなどを調べ、軽い方から「A1」「A2」「B」「C」と判定。BとCが2次検査を受ける。
2011年度は、1次検査が確定した約4万人のうち、2次検査の対象となったのは205人。うち甲状腺がんの診断確定は7人、疑いが4人。ほかに1人が手術を受けたが、良性と分かった。
12年度は、1次検査が確定した約13万4千人のうち、2次検査の対象となったのは935人、うち診断確定は5人、疑いが11人。