老化で増えるリンパ球 感染症、がん治療に道
老化に伴って体内で増える特異なリンパ球があることを、京都大の湊長博(みなと・ながひろ)教授らの研究チームがマウス実験で突き止め、米科学アカデミー紀要電子版に8日発表した。
チームは人にもこのリンパ球があり、加齢に伴う増加が免疫機能の低下や異常を引き起こすとみている。湊教授は「抗体を使ってリンパ球を取り除くことができれば、高齢者の感染症予防やがん治療に向けた新たな手法につながりそうだ」と話している。
このリンパ球はPD1という突起が表面にあるのが目印。チームはこれが加齢に伴って増え、体内に蓄積されることを突き止めた。がん細胞の増殖を促す炎症性物質を出すことも分かり、白血病を人為的に引き起こしたマウスでは、このリンパ球が急激に増えるのを確認した
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