【神奈川県】
民間を含めた屋内施設での喫煙を規制する県の受動喫煙防止条例は1日、大規模な宿泊施設や飲食店など「第2種施設」への罰則の適用が始まり、全面施行される。県は啓発キャンペーンの実施を検討していたが、計画停電など東日本大震災の影響を踏まえて自粛し、機会を改める。
条例は昨年4月に施行され、学校や病院など「第1種施設」を禁煙とし、小規模な飲食店やパチンコ店など「特例第2種施設」への規制は努力義務にとどめた。禁煙区域で吸った人は過料2000円、規制措置を怠った施設管理者は同2万円が科される。
県は施設への個別訪問を続け、第2種施設については、2月末までに飲食店を中心に訪問した1万1731件の80・3%が対応済みだった。未対応の施設には改善指導している。県たばこ対策課の井出康夫課長は「条例への理解を深めてもらい、定着を図っていきたい」と話している。
居酒屋などを展開する横浜市の会社は、第2種施設に該当する店で規制措置への対応を急いでいる。分煙にした場合、たばこの煙が禁煙区域に流れ込まないようにする「エアカーテン」の設置など1店舗当たりの設備投資額は20万円程度がかかるという。同社幹部は「不景気の中で条例に伴う設備投資は痛い」とこぼす。【木村健二】