【ベルリン共同】欧州で腸管出血性大腸菌「O104」の感染が拡大している問題で、ドイツ当局は9日、感染によるとみられる同国の死者が4人増え29人になったと発表した。スウェーデンの死者も含めると計30人。
世界保健機関(WHO)によると、感染者は、デンマークなどの欧州諸国と、米国、カナダの計16カ国で確認された。ほとんどの患者がドイツ在住者か、ドイツへの旅行者で、生野菜を食べた人が多い。
ドイツ当局は、感染源の調査を進めているが、「まだ証拠は見つかっていない」と説明、特定を急いでいる。
ドイツ当局がモヤシやトマト、キュウリなど生野菜を食べないよう警告しているため、地元ドイツの野菜販売は半減。同国の農業団体は9日、感染の発覚以降、計6千万ユーロ(約70億円)の損失が出ていると公表。
野菜輸出が急減しているスペインやポーランドなどの農業団体は、感染源を特定できないドイツ当局に対して批判を強めている。 |