東北大大学院医学系研究科の片桐秀樹(かたぎり・ひでき)教授(代謝学)の研究グループが23日、2型糖尿病の患者で高頻度に認められるゲノム(全遺伝情報)構造の異常を発見したと発表した。国際専門誌に掲載された。この異常により糖尿病の発症リスクは14倍以上になるという。
グループは、35歳未満で2型糖尿病を発症した日本人100人と、60歳以上で糖尿病の診断歴がなく、家族にも患者がいない100人を比較。この結果、第4染色体の一部領域で、遺伝子コピー数が減少する異常が患者13人から発見された。糖尿病ではない人では1人しか見つからなかった。
従来の研究で2型糖尿病に関連する遺伝子として20個以上が見つかっているが、糖尿病の発症リスクは高いもので1・4倍前後だった。グループは今後、簡易な検査で異常を見つける方法を開発し、発症していない人の予防などにつなげるとしている。
片桐教授は「遺伝的な要因が強く存在すると言われながら、決め手がなかった2型糖尿病の解明に大きく貢献する発見」と話した。
※掲載誌は Experimental Diabetes Research