食と健康「人工甘味料」

 ここ数年のダイエットブームで、カロリーゼロや糖質ゼロ、カロリーオフ といった表示の飲料水が目につくようになってきました。表示がある食品には、砂糖、果糖、ブドウ糖などの代わりに人工甘味料が使われています。人工甘味料はアスパルテームがダントツで、ダイエット飲料やチューインガムなど日本では約600品目に使用されていて、ほとんどのキシリトールガムにもアスパルテームは混ぜられています。

  成分は卵や牛乳などに含まれるフェニルアラニンとアスパラガスの中にもあるアスパラギン酸がペプチド結合で結びついている化合物で、砂糖の約200倍の甘みを持ちカロリーはありませんが、最近のアメリカの研究論文で、カ ロリーゼロ飲料は通常の炭酸飲料にはない害があり、太る可能性があると発表されました。

また、一日一回ダイエット飲料を長期にわたって常習し続けると、糖尿病 や高血圧症、心疾患になる確率も上昇するというデータがあります。これは ダイエット飲料に含まれる人工甘味料が脳の糖分受容体を刺激して、より空 腹感が増し、結果的に食べる量が増えて習慣化します。自然の野菜や豆腐などが持つ糖分レベルでは満足できなくなり、よりカロリーの高い食べ物を欲 して悪循環になります。 人工甘味料は糖尿病患者向けやダイエット以外の食品も含めると6000種類 以上の商品に使われています。最近になって早産リスクの上昇や発ガンの可能性、体重増加との関連が分かってきました。継続的に摂取した場合、肝臓 にホルムアルデヒドなどの有害物質が蓄積される可能性がありますので注意が必要です。

対策としては良質な水を毎日、食事の合間に一日2g以上飲むことや身体に負担をかけない程度の適度な運動、野菜やフルーツを食べることがあげられます。また、一週間に一日2食抜く断食も有効です。食料供給における化学甘味料の蔓延があまりにもすさまじいため、安全性の議論が再燃していま す。

2011.8.26 提供: Lifestyle通信