元気な赤ちゃんが急に心不全を起こし、最悪の場合は死に至る病気が、厚生労働省研究班の全国調査で見つかった。
研究班の主任研究者を務める国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)の白石公・小児循環器部長らが20日発表した。
左心室の「僧帽弁」を引っ張る糸状の組織が突然切れ、弁が閉じなくなって血液が逆流。全身に血液を送る左心機能が低下し、風邪のような症状が出てから2、3日で、血液循環や呼吸の状態が悪化する。肺炎と誤診されやすいが、早期発見して弁形成などの手術を行えば救命できる。
調査は、全国の小児病院など338施設から症例を収集。患者は1995-2010年の16年間で88人に上った。生後4-6か月が8割を占め、春と夏に集中。6人が死亡し、10人に発達の遅れなどの後遺症が生じた。原因は感染症、弁の先天異常などが疑われるが、はっきりしないという。