免疫の異常反応抑える物質、九大主幹教授ら発見
 

 体内の免疫機構が自らの細胞や組織を攻撃する異常反応について、原因となるたんぱく質の働きを抑える有機化合物を、九州大生体防御医学研究所の福井宣規主幹教授(免疫遺伝学)らの研究チームが発見した。免疫の異常反応はリウマチや膠原(こうげん)病といった疾患や臓器移植の際に起きる臓器への拒絶反応の原因とされ、今回の発見は新薬開発につながる可能性があるという。

 20日付の米国科学雑誌「ケミストリー・アンド・バイオロジー」に掲載された。

 免疫の異常反応は、リンパ球内のたんぱく質「DOCK2」が「Rac」というたんぱく質を活性化させて起きるとされる。今回の研究では、人工的に作られた有機化合物1万種類を一つずつ「DOCK2」に結合。うち一つが「DOCK2」の働きを抑える働きを持っていることが分かり、「CPYPP」と名付けた。

2012年4月21日 提供:読売新聞