ミツバチから採取した「ローヤルゼリー」に、放射線の内部被曝(ひばく)を予防する効果があることを、岡山大の榎本秀一教授(核薬学)らの研究チームが裏付けた。
マウスを使った実験で放射性ヨウ素の多くが短時間で排出され、放射性ストロンチウムの排出も大幅に早くなったという。東北大で開かれる「日本栄養・食糧学会」で20日に発表する。
ミツバチ産品製造販売会社「山田養蜂場」(岡山県鏡野町)との共同研究。ローヤルゼリーを1週間飲ませたグループと、飲ませなかったグループを比較した。2グループのマウスに微量の放射性ヨウ素や放射性ストロンチウムを投与して被曝状態にしたうえで、体内の複数の放射性物質を同時に観察できる特殊なカメラで解析した。
その結果、飲ませたグループはヨウ素の体内の蓄積量が被曝後8時間で半分以下になった。ヨウ素がたまりやすい甲状腺では、飲ませたグループでヨウ素がほぼ消滅したという。ストロンチウムも約50%多く排出された。チームはローヤルゼリーの投与で体内の代謝が活性化し、体外に排出されたとみている。
榎本教授は「ローヤルゼリーに放射性物質の排除を促す機能があることが示唆された」としており、被曝後のマウスに飲ませた場合の効果についても実験を進めている。