エボラ熱流行「最も深刻」 WHO、死者110人超
【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)のフクダ事務局長補は8日、ジュネーブで記者会見し、西アフリカで発生したエボラ出血熱について「これまでのエボラ出血熱の流行で最も深刻なものの一つ」と指摘し、強い懸念を示した。
感染が疑われる死者の数は110人を超え、WHOは拡大阻止に向け警戒強化に乗り出した。
WHO高官が今回のエボラ出血熱の流行について、深刻との認識を公式に明言したのは初めてとみられる。フクダ氏は会見で、エボラ出血熱を完全に封じ込めるまであと2〜4カ月はかかるとの見通しも示した。
WHOによると、感染が疑われる死者はギニアで101人、リベリアで10人に達した。シエラレオネ、ガーナ、マリにも感染が拡大している恐れがあり、WHOが調査を続けている。
エボラ出血熱は高熱に加え、皮膚などからの出血を伴う感染症。治療法やワクチンはなく致死率が極めて高い。過去にギニア付近で流行したケースはなかったという。
国際緊急医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」も「前例のない規模での流行」と指摘、ギニアに医療チームを派遣するなど支援に乗り出している。
※エボラ出血熱
エボラウイルスが原因