手先の動きがどうもぎこちなくなり、歩くときなぜか足が前に出づらくなった――。中高年になってこうした症状が気になりだしたら、一度、医師の診断を受けるほうがよい。パーキンソン病の疑いがあるからだ。
パーキンソン病は、神経性の病気で年単位でゆっくりと進行する。神経伝達物質であるドーパミンを作る神経細胞が失われ、手足のふるえや筋肉が硬くなる固縮などの症状が起こる。50代、60代で発症することが多い。国内には約13万人の患者がいるとされる。
現在の医療では完治させることはできない。ただ、投薬でドーパミンを直接補ったり出やすくしたりする治療法があり、病気の進行や症状を抑えることは可能だ。
適切な治療を行えば「例えば50歳で発症したとしても定年まで働けることが多くなった」と国立精神・神経センター武蔵病院第二病棟部の村田美穂部長は話す。
治療は神経内科の担当になるが、専門医はまだ少ない。まずはかかりつけ医に相談すること。早期に見つけるかどうかで発症後の経過も大きく違ってくる。
手や足がふるえる |
歩くとき足が出にくい |
手先の細かい動作がぎこちない |
坂道の下りで止まりにくい |
筋肉が硬くなったようで動きが鈍い |
体が前かがみになり、歩きにくい |
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