夜中に尿意を催し目が覚めるようになった――。夜間頻尿になると不眠がちになる。高齢者だとトイレで転倒することにもなる。原因は様々で、早めに泌尿器科を受診したほうがよい。

「睡眠中、1回以上おしっこで目が覚める」というのが夜間頻尿の定義。水分を多く取ったり飲酒したりした日などまれに起きるのなら問題ないが、「毎晩2回以上目覚めるなら要注意」と山田拓己・埼玉医科大学教授は言う。

男性の場合、前立腺肥大症だと、尿をためる膀胱(ぼうこう)の機能低下で起こる。手術することもあるが薬で治る。女性は骨盤などの筋肉のゆるみが尿が漏れる過活動膀胱などで起こりやすい。

夜中に尿の量が増えて起こる場合は、心臓病の治療薬の影響や糖尿病のためのどが渇き、水を多く飲んでしまうケースなどだ。主治医と相談して薬を変更すると解消することもある。最近は「医学的根拠がないのに血がサラサラになるといって水を多飲する人も増えている」と山田教授は注意を促す。寝る前にとる水分は、夜中にのどが渇かない程度に抑えておくことも大切だ。


夜間頻尿の主な原因


▽夜間の尿量増加
・酒やコーヒー、水などの多飲
・糖尿病、シューグレン病などの疾患
・心臓病などの治療薬
・加齢により尿が夜に作られやすくなる

▽膀胱の容量減少
・前立腺肥大症
・過活動膀胱
・膀胱結石など



2006.2.12 日本経済新聞