性感染症の代表格だった淋病(りんびょう)が、20代中心の若い人の間で再び増えている。特に女性は感染初期の段階では症状に乏しい。放っておくと、排尿時に強い痛みを伴ったり、将来の不妊の原因にもなったりするので、早期の診察・治療が欠かせない。
淋病は淋菌が感染して発症する。性行為以外でうつることはほとんどない。男性だと、感染して1週間前後で尿道に炎症が起き、痛みや膿み(うみ)などの症状が出る。女性も膣(ちつ)の上の子宮の頚管(けいかん)に炎症が起きるが、自覚症状がないことが多い。
尿やおりものを検査して診断する。抗生物質ペニシリンを経口投与して治療するが、耐性を持った淋菌が増えており、患者増の一因にもなっている。このため、数年前から抗菌薬による注射が、新たな標準治療に加わった。
最近は、口内性交によってうつることも多い。感染を防ぐには、コンドームを使うしかない。東クリニック(東京・渋谷)の東哲徳院長は「淋病は、予防法も特効薬もある病気。日ごろから正しい知識を身につけてほしい」と話す。
淋菌感染症の主な症状 |
男性 |
排尿時の灼熱感やかゆみ、うみ |
女性 |
おりものの増加 |
直腸感染 |
肛門のかゆみや出血 |
のどの感染 |
軽いのどの痛みや腫れ |
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