色刺激による脳の活動への影響の差は?

注意力を高める色、創造力を高める色

研究結果:集中力を高めるには赤色、自由な発想を促すには青色を選択
Miranda Hitti

【2月5日】赤色や青色は、単に見た目だけにとどまらない。これらの色は、集中力や創造性に影響を及ぼす可能性がある。

この新しい色彩連想研究の結果が、『Science』のオンライン速報版『Science Express』に掲載された。

主要な結果は以下のとおりである。赤色は細部への注意力を、青色は創造性を高めるが、それらの色彩効果は気づかれないことが多い。

ブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ)Sauder School of BusinessのRavi Mehta, MBAおよびRui (Juliet) Zhu, PhDは、赤色と青色の効果を比較する6つの色彩研究を実施した。

それぞれの色にしゃれた色名はない。つまり、Mehta博士およびZhu博士がここで話題にしているのは、ファイアー・エンジン(Fire Engine)対ロージー・ドーン(Rosy Dawn)やミッドナイト・ブルー(Midnight)対ターコイズ(Turquoise)のことではない。同じ強度および明度の単純な赤色と青色のことである。

Mehta博士およびZhu博士は、6つの研究において、赤色と青色を比較検討した。各研究において、色覚異常のない学部生に、スクリーンセイバーが青色または赤色のコンピュータ・スクリーンに表示された単語の暗記、青色または赤色の物体からの子供のおもちゃのデザイン、住所録の編集など、さまざまなタスクを実行させた。

集中力を高めるには赤色、創造性を高めるには青色

各研究において、タスクが赤色モードの場合に学生の集中力が高まり、青色モードの場合に創造性が高まった。

例えば、スクリーンセイバーが赤色の場合、学生は、より正確に記憶し、より優れたコピー・エディタであった。また、赤色の物体からデザインしたおもちゃは、より実用的であった。それは、一時停止の標識(赤信号)など、赤色が注意の合図であるためであろう、とMehta博士およびZhu博士は述べている。

創造性を高めるには青色が効果的であった。青色の物体から作ったおもちゃは、それほど実用的ではないにしても、より独創的であった。また、スクリーンセイバーが青色の場合、動物の爪とぎ柱としての使用など、独創的であるが不可能ではない、れんがの使用法をうまく考え出した。

集中力を高めるのは、赤色または青色のいずれか、創造性を高めるのは、赤色または青色のいずれか、という質問に対して、学生は両質問ともに青色と答えた。研究者らによれば、おそらく青色の方が好きであるという理由で、青色を選んだのであろう。

Mehta博士およびZui博士は、特定の色が特定のタスクに適している可能性があると結論付けている。

「油断のない注意を要するタスク(重要な情報の暗記、新薬の副作用の理解など)には、赤色が特に適切であろう」と、研究者らは記している。

「しかし、創造性および想像力を要するタスク(美術店のデザイン、新製品アイデアブレインストーミング・セッションなど)には、青色がより効果的であろう」と、Mehta博士およびZui博士は付け加えている。

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2009.2.10記事提供 WebMD