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ビタミンD生成が多くなると、風邪をひき難い?

一般集団調査において、血清25-ヒドロキシビタミンDの値が最近の上気道感染症に対して負の連関を持ち、特に気道疾患患者において連関が強かった

Medscape Medical News

【2月24日】血清中の25-ヒドロキシビタミンD [25(OH)D]の値が、最近の上気道感染症(URTI)対して負の連関を持ち、特に気道疾患患者において連関が強いという第三次国民健康栄養調査の二次分析の結果が、『Archives of Internal Medicine』2月23日号に発表された。

「近年の研究により、気道感染症(RTI)の予防といった先天免疫機能におけるビタミンDの意義が示されている」とコロラド大学デンバー医学部(オーロラ)のAdit A. Ginde, MD, MPHらが記している。「我々は、血清中の25(OH)D値が自己申告による最近のURTIに対して負の連関を持つと想定した。」

研究グループは、1988年から1994年にかけて米国一般集団の確率調査を行い、12歳以上の被験者18,883例を対象にして、25(OH)Dと最近のURTIとの関連性を、集団特性および臨床要因(季節、肥満指数、喫煙歴、喘息、慢性閉塞性肺疾患[COPD])で補正した場合としない場合とで評価した。

血清25(OH)D値の中央値は29 ng/mL(四分位数間領域は21 - 37 ng/mL)であった。最近のURTIは、全被験者のうち19%(95%信頼区間[CI]は18% - 20%)が報告しており、そのうち、25(OH)D値が10 ng/mL未満だった者が24%、10以上30 ng/mL未満だった者が20%、30 ng/mL以上だった者が17%いた(P < 0.001)。

集団特性や臨床要因について補正しても、25(OH)D値が低いことは最近のURTIに対して独立して連関していた(25(OH)D値が30 ng/mL以上の群に比較すると、10 ng/mL未満の群のオッズ比[OR]は1.36で95%CIは1.01 - 1.84、10以上30 ng/mL未満の群のORは1.24で95%CIは1.07 - 1.43)。喘息またはCOPDを有する者では、25(OH)D値とURTIの連関がさらに強まった(それぞれORが5.67または2.26)。

「血清25(OH)D値は最近のURTIに対して負の連関を持つ」と著者らは記している。「この連関は、気道疾患を有する者ではさらに強まると思われる。ビタミンD補充療法によるRTIへの効果について検討するランダム化比較対照試験を行うべきである。」

この研究の限界としては、考えられる交絡因子のすべてが制御できているわけではなく、因果関係の推論が立てられないこと、最近のURTIの一次転帰を自己申告に頼っていること、血清サンプルの採取が1回ずつしか行われていないことが挙げられる。

「30 ng/mL未満の25(OH)D値とURTIは冬季に多く見られるようになるが、この負の連関は一年を通して存在する」と著者らは結論で述べている。「喘息などの気道疾患を有し、血清25(OH)D値が低い者は、RTIに罹りやすいと考えられる。ビタミンD補充療法でURTIの発生率と気道疾患の増悪が減らせると思われる。」

著者のうち1名は、D受容体活性化研究でマサチューセッツ総合病院からの支援と、米国国立心臓肺血液研究所の助成金を受けている。その他の著者の開示情報に、関連する金銭的利害関係はない。

Arch Intern Med. 2009;169:384-390.

2009.3.2記事提供 Medscape Medical News