大きなウエストサイズは心不全と関連
BMIにかかわらず女性の大きなウエストサイズは心不全に関連し、男性ではウエストサイズとBMIの両者が心不全の予測因子であった
Laurie Barclay
【4月13日】体格指数(BMI)にかかわらず女性の大きなウエストサイズは心不全(HF)に関連し、男性ではウエストサイズとBMIの両者がHFの予測因子であるという研究結果が『Circulation Heart Failure』4月7日版オンライン早版に報告された。
「肥満は[HF]発生率と関連する」とベス・イスラエル・ディーコネス医療センター(マサチューセッツ州ボストン)のEmily B. Levitan, ScDらは記している。「我々は年齢別に[BMI]とHFとの関連の強さを検討し、BMIおよび腹囲(WC)の組み合わせとHFとの関連についても検討した」
本研究の被験者は48-83歳の女性36,873名と45-79歳の男性43,487名であった。身長、体重、WCは被験者の自己申告とし、HFによる入院や死亡は行政登録(administrative register)で評価した。HFによる入院や死亡は1998年1月1日から2004年12月31日までの間に女性382名と男性718名に認められた。コックスの比例ハザードモデルでハザード比(HR)を算出した。
四分位範囲によるBMI高値のHRは60歳の女性で1.39(95%信頼区間[CI] 1.15-1.68)、75歳の女性で1.13(95% CI 1.02-1.27)であった。それぞれ同じ年齢の男性におけるHRは1.54(95% CI 1.37-1.73)および1.25(95% CI 1.16?1.35)であった。
BMIが25 kg/m2および30 kg/m2の女性では、WCが10 cm大きいとHF発生率がそれぞれ15%(95% CI 2%-31%)および18%(95% CI 4%-33%)高くなった。WCが70 cmおよび100 cmの場合、BMI 1 kg/m2の増加に伴うHRはそれぞれ1.00(95% CI 0.96-1.04)および1.01(95% CI 0.98-1.04)であった。
BMIが25 kg/m2および30 kg/m2の男性では、WCが10 cm大きいとHF発生率がそれぞれ16%および18%高くなった。WCにかかわらず、BMIが1 kg/m2増加するとHF発生率は4%上昇した。
「BMIとHFイベントとの関連の強さは年齢とともに低下した」と本研究の著者らは記している。「女性の場合、BMIにかかわらず大きなWCはHFに関連した。男性ではBMIとWCの両者がHFの予測因子であった」
本研究の限界としては、試験集団の詳細な臨床データがないこと、外来治療のみのHFに対し本研究結果を一般化できないこと、HFの病因を判定したり、収縮機能障害を伴うHFと収縮機能が保たれたHFとを識別したりできないこと、肥満に伴う呼吸困難と浮腫によって肥満者のHFが過剰診断された可能性があること、身長、体重、ヒップサイズ、WCの自己申告値は臨床的な身体測定値に比べ正確性が低いこと、残余交絡(residual confounding)がある可能性が挙げられる。
「今回の中年および高齢集団では、全身および腹部脂肪蓄積の両測定値がHFによる入院や死亡と関連していた」と本研究の著者らは結論付けている。
2つのコホートの管理にはSwedish Research Council/Committee for infrastructureの助成金が用いられた。Levitan博士はSwedish Foundation for International Cooperation in Research and Higher Educationの助成金およびNational Institutes of Healthの助成金による支援を受けた。著者らは関連する金銭的関係がないことを公表している。
Circ Heart Fail. Published online April 7, 2009.
Medscape Medical News 2009. (C) 2009 Medscape
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