温かく眠るために

寝る前に布団に工夫

 寒さも本格化。冷えで眠れないと悩む女性も少なくないだろう。温かく快適に眠るには、どのようなことに気をつければいいのだろうか。

  「帰宅から就寝までの時間は、心身を眠りに入りやすい状態に整える準備時間と考えて過ごすとよい」と話すのは、財団法人神経研究所の研究員で眠りに詳しい駒田陽子さん。
 冷えた体を温め心身をリラックスさせるには入浴が効果的だが、方法を間違えると逆効果。42度を超える熱い湯は体の働きを活発化させるため、寝る直前に入ると逆に寝つきにくくなってしまうからだ。
睡眠のことを考えたときの適温は熱すぎない湯。じっくり体を温め、風呂から出て15−30分後、1回上昇した体温が少し低下してきたタイミングで床につくとよい。熱い湯に入りたいなら、早目の時間に入り体温を下げたり、交感神経の興奮状態を落ちつかせたりする時間を確保しよう。

 温かい飲み物もいい。麦茶、そば茶、ハーブティーなどであればカフェインが入っていないものを選べるはずだ。利尿作用のあるアルコール類は睡眠の妨げになるリスクがあるので、避けたほうが無難だ。

 寝具は掛け布団にばかり目が行きがちだが、ロフテー快眠スタジオ(東京・中央)の睡眠改善インストラクター、山尾碧さんは「冷えやすい背中や腰が直接触れる敷布団も重要」と指摘する。保温性の高いものにしたり、敷布団の上にパッドを置いたりすると温かさがアップする。
 湯たんぽや電気毛布などで、あらかじめ布団を温めておくのも一案。ただ、電気毛布を使うと温めすぎで、汗をかいて体を冷やしてしまったり、肌の乾燥を招いたりすることもあるという。山尾さんは「電気毛布は布団を温める道具として使い、床についたらスイッチを切るほうが安心」と話す。24hタイマーをかけておくと便利。電気カーペットを敷いて、タイマーで寝る前に温めておく。寝る時にOFFでダニ防止温度まであげるのもよい。

 寝間着は適度な保温性と体温調節しやすい通気性が必要条件。スポーツウエアを寝間着代わりにするなら、こうした条件を満たしているか確かめてからにしよう。
(インフィニティ  石田 美穂)

2006.5.20 記事提供  日経新聞