血小板減少 除菌で効果も

 

 「ぶつけた覚えもないのに青あざができる」「歯を磨くと出血しやすい」といった症状が出たり、「健康診断で血小板が少ないと言われた」という人は特発性血小板減少性紫斑病の疑いがある。出血を止める働きをする血小板に対する自己抗体ができ、破壊されるために減少するという。

 日本には約2万人の患者がいる。子どもだけでなく大人にも多い。女性の患者が男性の3倍という統計もある。慶応大学の池田康夫教授は「血小板が減る病気は多いので、まず専門医に正確な診断をつけてもらうのが重要」と指摘する。
 診断が確定したら、副腎皮質ステロイドなどの薬で治療していく。子どもの場合は急性型のことも多く、自然に治癒するという。最近では胃がんなどとの関連性が強いとされる「ヘリコバクターピロリ菌」に感染しているかどうかを検査し、除菌すると効果があがることもわかってきた。

 細かい仕組みは研究中だが、「もし陽性なら除菌するのがいい。除菌によって半数以上の患者で血小板数が増え、完全に正常数になる人もいる」(池田教授)という。

特発性血小板減少性紫斑病の主な症状
○点状や斑状の皮膚内出血
○歯茎からの出血
○鼻血
○便に血が混じったり、黒い便が出たりする
○尿に血が混じり紅茶のような色になる
○月経過多
○重症な場合は脳出血
(注)難病情報センターの資料をもとに作成

 




2008.12.7 記事提供 日経新聞社