健康ウォーキング 有酸素運動

最適な心拍数維持

 若いころ運動が得意だった人や体力に自信のある人は、生活習慣病予防のより効果的なウオーキング方法に興味をもつ。また、ライフスタイル・ウオーキングに慣れて速く歩けるようになると、もっと検査値を改善できる歩き方を知りたがる。
 こうした人たちには有酸素運動としてのエクササイズ・ウオーキングがおすすめだ。
 有酸素運動では、肺から吸い込んだ空気中の酸素が血液中に取り込まれ、代わりに体内で産生された二酸化炭素が体外に排出される。酸素は心臓の収縮によって全身の組織へ運ばれる。心臓の収縮する回数が心拍数で、歩き始めて歩行速度が次第に速くなると心拍数も増えてくる。ある水準を超えると酸素の供給が追い付かず、歩き続けるのが難しくなる。その時の心拍数を最大心拍数と呼び、酸素の摂取量(消費量)も最大になる。
 運動の強弱は心拍数で表すことができ、年齢によって差がある。生活習慣病予防には最大酸素摂取量の50−60%の強さの運動がよい。体力のある人や運動習慣のある人だと、75%くらいまでなら大丈夫だ。
 最適な運動強度は心拍数で見ると40代で1分間110−130、50代で同105−125、60代で100−120が基準。10歳年をとるごとに5ずつ減ると覚えておこう。
 運動習慣がなく心肺能力の劣る人は、最初のうちは速く歩くとすぐ心拍数が上昇して、呼吸も荒くなる。心拍数の変動も激しく、同じ心拍数を維持して歩くのはなかなか難しい。低めの基準から始めて、定期的にトレーニングをつむと少しずつ心肺能力は改善していく。同じ心拍数を維持できるようになり、速度を速めても楽に歩ける。
 生活習慣病の改善効果は運動量に比例する。運動量は(運動の強さ)×(運動した時間)。速く歩くと短い時間でも同じ効果を得ることが可能だ。
 「1回20分以上、週3回」でなくても、週単位で同じ量であれば毎回の歩く時間を気にすることはない     


2007.7.29 記事提供  日経新聞