まず足踏み 丹念に
歩く前にウオームアップストレッチをやると体があたたまり、筋肉や腱(けん)も伸びてやわらかくなり、可動範囲も広がる。ウオーキング時のけがや故障を防いでくれる。とくに冬の寒い朝には、最初の足踏みを丹念にやること。体が十分あたたまってから、次のストレッチに移るようにしたい。
日本ウオーキング協会が作った指導マニュアルをもとに、正しいウオームアップストレッチの具体的な方法を順番に紹介しよう。
まず、上半身のストレッチ。最初に両手、膝(ひざ)を高く上げてその場で足踏みをする。次に上げた両手を頭上で組んで裏返し、気持ちよく背伸びをしよう。体側伸ばしは組んだ手を引き上げながら横に倒す。上体回しは手を組んだまま前方に伸ばした状態で左右の後方へ回す。最後に上体を前に倒して、背中、腰、脚の裏側を伸ばす。上体を後方に倒して同じようにやると、胸や腹などの前側が伸びる。
下半身のストレッチでは、まず、膝がまっすぐに伸びきるように足先を振り出す。次につま先で円を描くように足首を回す。何回か続けた後でつま先を伸ばしたり引き寄せたりする。足の甲伸ばしは、片方の足で体を支えながら他方の足を後ろへ回してつま先を地面につける。アキレス腱は、片方の足を後ろに引いて足裏全体を地面につけ、他方の前膝を曲げて体重を乗せると、伸ばすことができる。
足をもう1歩後ろに引いてかかとを上げ、深く腰を落とすと股(こ)関節が伸びる。片足立ちで他方の足を両手で抱えながら、太ももの後ろを伸ばすのが膝抱えだ。
首は、正しい姿勢で立ち、左右・前後にゆっくり曲げて心地よく伸ばしてから、ゆっくりと大きく回すとよい。肩は両肩を引き上げてストンと落とす。そして前方から後ろへ、前・上・後・下を意識して回そう。 首を回す時は早くやり過ぎると目が回るので気をつけよう。
毎回すべてのストレッチをやる必要はない。歩く距離や時間、体調から、いくつかを上下に組み合わせるとよい。
(日本ウオーキング協会副理事長 泉 嗣彦)
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