スリムこそ美徳 インド、健康志向に目覚め
インドでは、おなかが突き出た"太鼓腹"が裕福の象徴としてもてはやされ、「やせているのは食事をとれない貧しい人々」と考えられてきた。しかし欧米文化の流入などで、スリムこそが健康によいとの認識が富裕層を中心に急速に拡大。ニューデリーやムンバイなどの都市部にはフィットネスジムが相次ぎ開業している。
首都ニューデリーの高級ホテル内のジムでは、大きなおなかをした貫禄(かんろく)あるビジネスマンや有閑マダムたちが汗を流す。「近所に住む金持ちのインド人の利用が多い」とジム受付嬢。
首都の高級ホテル内のジムでは年会費が1人25万ルピー(約50万円)、ムンバイの中級ホテルやニューデリー住宅地のジムは3万〜3万5千ルピー(約6万〜7万円)が相場とされる。太った体で運動している姿を男性に見られたくないとの「女心」に配慮して、女性専用の時間帯を設けているジムも少なくない。
ジムでは食生活の改善も推奨。スタッフは、インド人が間食に好む油で揚げたスナック類や砂糖たっぷりの菓子を避けるよう指導し、インドで一般的な午後9〜10時と遅めの夕食時間を改め、朝早く起きてしっかり朝食を取るよう勧めている。
インドでは女性は伝統的に、民族衣装サリーから見え隠れする女性の横腹が「タプタプ」しているのが美しいとされてきた。
しかしニューデリー市内のジムに通う主婦メナクシさん(33)は「太っているのが美徳というのは昔の話。油っぽいものは極力食べないようにして、黒パン、果物をとるようにしている」と話す。ジムではほぼ毎日2、3時間汗を流し「3カ月で8〜9キロやせた」と笑顔を見せた。
(ニューデリー共同)
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