ビスフェノールAは有毒
カナダが認定、規制強化へ

 【ワシントン共同】米メディアによると、カナダ政府は14日までに、プラスチック原料や缶詰内面の塗装剤などに使われているビスフェノールA(BPA)を、有毒な化学物質と認定した。

 カナダでは既に、BPAを含む哺乳(ほにゅう)瓶の販売を禁止する措置を取っており、BPAを含む塗装剤を使った粉ミルクの缶の規制や、工場から環境へのBPA排出の削減に乗り出すとみられる。本格的な対策に乗り出すのはカナダが初めてという。

 BPAをめぐっては、動物実験の結果から、これまで安全と考えられてきた量より少ない摂取量でも、内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)として、乳幼児の神経や行動に影響を及ぼす恐れが指摘されている。このため米国や日本でも安全性を再評価している。

 ロイター通信によると、カナダの保健相は「BPAは人の健康や環境に悪影響を与える恐れがある」と説明。一方、化学産業界は「判断はカナダ保健当局の研究結果や欧州連合の政策と矛盾している」と反発している。

2010.10.15 記事提供:共同通信社